Tie and Tie -Leiya Seguchi- 2

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黎弥side





"『2人を守るために、この道を選んだの…』"







慧人が言った通りだった。




全部、分かってる。



でも、分かってるからこそ…








「なに聞き分けのいいフリしてんだよ…」



「喧嘩っ早いAはどこ行った…？」



「子どもの頃、
俺を守ってくれたAはこんな守り方しねぇ…」










何も知らない世界に足を踏み入れるのに
不安があるのは当たり前で

あの日なんて比べものにならない程の不安を抱えて
それでも俺らを守るってAは決めたんだ。







Aの性格を理解してなかったわけじゃない。


Aの覚悟を甘く見てたのは俺らも同じだった。






そんな覚悟をさせた自分が情けないとも思ってしまった。









「覚えてるか？昔、俺に言ったこと」









握り締めた拳にさらに力が入る。








「A言ったよな。
捨てられたのも、施設で育ったのも
不幸なのも俺のせいじゃないって」



『それは……』



「それなら、Aがこの家と血の繋がりがあるのも
Aのせいじゃねぇ」



『……っ』



「自分のせいじゃねぇのに
自分のこと思ってない奴の為に生きるなんて
よっぽど時間の無駄だろ…」



『今は…2人のために生きてる…っ』








そんな泣きそうな顔して…




これが俺らのためって思ってんなら、Aは間違ってる。






もうあれこれ考えるのは終わりだ。



そういうのはやっぱり苦手だからよ…









「だったら…！
こいつらはAのこと思ってんのかよ！？」



「これがAを思っての行動かよ…！！」

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