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答えは ページ31

黎弥side







1人乗り込んだITOKAN





最初こそ警戒されたものの
正面に座る、何故か傷だらけの颯太と

カウンター席に座り、
オムライスのスプーンを咥えたままこっちを眺める勇征と



「どうぞ」



颯太の姉ちゃんが運んできてくれたオレンジジュース。



「あざす」



俺の前にもオレンジジュースが置かれるから
選択肢はないらしい。








.








「ちょっと気になったんだけどよ、」


「なんですか?」


「なんでお前そんな傷だらけなの?」


「いや、これはその……鬼邪…」


「鬼邪?」


「…なんでもないです。気にしないでください」


「お、おう」


「それより、Aは…」








.







傷だらけの理由が気になりつつも
ざっくり事の経緯を話し…







「じゃあ、Aは今どこに……」


「…どこにいるかは分かんねぇ」


「え、」


「けど、学校には行ってるっぽいから
この辺にはいるはずなんだよ」


「もしかして、連れてかれたとかですか…?」


「いや、」


「え、なんですか」


「多分…自分から行ったんだと思う」









自分で発した言葉なのに
現実を突きつけられてるようで、正直きつかった。











「なんで……」


「それが、俺らも分かんなくてよ…」


「……」


「……だから、颯太に話聞きに来た」








俺の気持ちを汲み取るように
強い眼差しで「力になれるなら」そう答えてくれる。








「まず…Aの親が関係してるのは
間違いなさそうなんだよ」


「親…」


「同じ施設にいた時のことで
なんか知ってることねぇか?」


「……」


「なんでもいいんだ」







汗をかき始めたオレンジジュースのグラスを眺めたまま
颯太は少し考え…






「あ……」





何かを思い出したように口を開いた。







「一個だけ…」


「なんか知ってんのか!?」


「関係あるかは分かんないですけど…」







どんなに小さなことでもいい。


今は縋るしかない。

.→←.



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あおい(プロフ) - ななさん» 良かったです笑 こらこそありがとうございます🙈 (1月10日 11時) (レス) id: 90ca68a788 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - あおいさん» めちゃくちゃ説得力あって安心しました😂笑 ありがとうございます! (1月9日 23時) (レス) id: ecac200247 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - ななさん» ななさんが思ってるよりめちゃくちゃ黎弥くんっぽいです!!笑 (1月9日 20時) (レス) id: 90ca68a788 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - あおいさん» あおいさん!黎弥っぽく書けてるかめちゃくちゃ不安ですが…💦笑 こちらこそいつもありがとうございます😭 (1月7日 23時) (レス) id: ecac200247 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 黎弥くん最高です🙈💗いつも素敵なお話ありがとうございます!! (1月7日 21時) (レス) @page48 id: 90ca68a788 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なな | 作成日時:2023年11月3日 0時

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