Tie and Tie -Leiya Seguchi- 2

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「Lグループはご存知ですよね？」


『まぁ、一応』







Lグループはホテル事業や
リゾート開発を手掛ける大企業。表向きは。


裏で何をやってるかなんて知りたくもない。




とはいえそんな会社も

「現在、Lグループは後継者問題に直面しています」

らしい。






「Lグループは代々、
権利、財産、全てを親から子へ受け継いできました」


『…はぁ』


「"血の繋がり"
それがLグループにとって絶対です」








"血の繋がり"


やっぱり自分の人生とはかけ離れた考えに
正直、理解は追いついてなかったし

この時はまだ他人事のように聞いてた。



決して交わることのない世界のはずだった。









「もしもの時のために用意された、
後継者に値する養子や会社の人間はいますが
それも所詮保険です」



『保険って……』



「そういう意味でも
"血の繋がり"が最も重要なLグループに
現在、後継者はいません」



『……』



「いや、いないというよりかは
"いなかった"が正しいでしょうか」



『……っ』



「A様が現れるまでは」



『なに、それ…』



「実子の存在が分かってから
我々は後継者を…"中尾A"を探し続けていました」



『……』



「そして、見つけた」



『そんなの…』








意味が分からない…



こんなの望んでない…








「A様はLグループ代表の唯一の実子であり
本来の後継者なんです」








聞くことを選んだのは自分なのに
数日前の話と繋がっていってしまうのが
不快で仕方なかった。


いっそ吐き気すらした。

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