Tie and Tie -Leiya Seguchi- 2

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長い廊下を進みながら、木村は説明してくれた。




今いるこの家は本家ではなく、




「A様のために新しく購入されたお屋敷です」


『新しく買ったって…』


「本来なら、高校も転入の予定でしたので
本家近くの別邸に住んでいただく予定だったんですが」


『にしたってわざわざ買わなくても…』







いくら私が出した条件の為とはいえ
金持ちの考えることは分からなかったけど





卒業まではここから学校に通って

語学とか経営とかマナーとか
後継者として必要なことを学ぶらしい。


本家に行くことも親に会うこともない。





正直、会いたいなんて感情は全くなかったから
都合の良い話だし


私を家族としてではなく、
本当にただの後継者として連れてきたんだなって


ここまで徹底してるといっそ清々しかった。







「ひと通り揃ってるとは思いますが、
必要なものがあればおっしゃってください」





家からは学校に必要なもの以外持ってきてないから。



木村は説明を終えると
「では、失礼します」部屋を後にする。








1人になった、広くて静かな部屋で思った。



本当に、生活も人生も何もかも変わるんだと。

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