Turn Me On -Yusei Yagi-

. ページ10

「服は着替えてきただけやから。
僕が鬼邪高ってみんなに知られたらまずいんやって」


『なんで？』


「山王にいられんくなるやろ」


『なんで？』


「アホなん？」


『うるさ。
元々頭はよかったのに中学の時ヤンチャし過ぎて
向こうで入れる高校なかっただけじゃん』


「高校は出とかんと大学も行けへんし」


『真面目に勉強してるならまだしも』


「頭はええから勉強はどうとでもなんねん。
高卒が欲しいんやもん」


『1、2年仕切ってるくせによく言うよ』


「それは暇つぶし」


『クラスの子騙されてかわいそ』


「上手いことやってるって言ってくれる？」


『バレないのが不思議だわ』


「学校ではインテリメガネで通ってますから」





なんだか自慢気に、ないメガネをあげる。





「姉ちゃん、みんなにバラすとかなしやからな」


『はいはい、言いませんー』





こんな子犬みたいな顔して、腹の中は真っ黒。



学校行く時は金髪をわざわざ黒スプレーで染めて
目悪くないのにメガネまでかけて、全力変装。








面倒くさいのに、ここまでするのには
「僕が居たいのは山王やから」



多分、そこに至るまでも色々事情があったんだと思う。



それを話してくれる日が来るかは分からないけど
なんだかんだかわいい弟の頼み、
姉としては聞くしかない。







「で、姉ちゃんはこんなとこで何してんの？」


『バイト』


「え！？チームは？辞めたん？」


『まぁね』


「いつ？」


『2週間前』


「僕、山王入ったの2週間前」


『お互い知らないわけだね』


「やな」

"なかじまくん"→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す