Turn Me On -Yusei Yagi-

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勇征side





『勇征』




大好きな声が、はっきりと名前を呼ぶ。




『勇征は何にも分かってない』





呟いた意味が分からなくて戸惑ってるうちに
ジャケットの襟を掴まれ、引き寄せられた。





「え……っ」





唇に伝わる柔らかい感触と温もり…



どうにか背伸びをしたAに酸素を奪われ…



それはもう、時間が止まったみたいに…







『私の前からいなくなるなんて許さない』






離れた唇がそう言って
迷いのない強い瞳が真っ直ぐ俺を捉えて離さない。






『好きだよ、勇征』



「……」



『だから、いなくなるとか言わないで』



「……」



『聞いてる？』



「……え…好きって…Aが？俺を？」



『うん』



「えぇ！？マジで！？」



『マジで』



「……嘘！やば！」



『あははっ』



「俺も大好き！」






勢いよく抱き着けば
可笑しそうに笑うAの声が擽ったくも耳に届いた。



もう絶対離してやんないから。




ただ、そんな光景を見られてるなんて
この時の俺は知る由もない。







.






.















テ「見ました？」


ダ「やっぱ勝ち気な女やな」


チ「こんなとこ隠れてないで早く帰りましょーよ」


ダ「チハル、お前失恋したんやで！？」


チ「もういいんですって、Aが幸せなら。
Aにあんな顔させられるの、勇征だけだし」


ダ「……愛やな」


テ「あー！俺も彼女ほしー！」


ヤ「お前ら、何やってんだ？」


テ「あ！ヤマトさん！
あの2人やっとくっついたんですよ！」


ヤ「へぇ、よかったじゃねぇか」


テ「余裕！ヤマトさんはいいですよね！
ナオミさんがいるし！」


ヤ「まぁな」


「「あー！認めた！」」


ヤ「うるせぇよ笑」


コ「お前ら、帰んぞ」


「「はいっ！」」

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