Turn Me On -Yusei Yagi-

意味するもの ページ35

もういなくなったと思ってた勇征の中の狼は
この時まだ影を潜めてただけだった。






勇「おい！それ最後の肉！！」


チ「おー！正也！」


正「久しぶりだな」


チ「あれ？兄貴は？」


正「ドカと出かけてる」


チ「マジで付き合ってんだなぁ」


勇「ふざけんな…Aの肉返せ…」





勇征、チハル、颯太で焼肉食べてる所に
突然やってきた正也。





チ「正也、テッツのさくらんぼも食ったじゃん！」


『前科持ち』


正「あははっ、美味かったわ。
あー、それより今日はちょっとAに用があってよ」


『用？なに？』





勇征が怒ってる理由は
私の最後の肉を正也が横取りしたからで


そんなのいつものことで笑い合ってた、のに…

勇征はあっという間に
正也の胸ぐらを掴んで詰め寄ってて…





勇「美味かったわ…じゃねーんだよ！
誰だか知んねーけどAの肉返せ！吐け！」


『いやいや！吐かれても困る！』





「勇征やめろ！」「勇征くん！落ち着いて！」って
2人が止めに入るけど振り払われる始末…





正「勇征離せって！俺が悪かった！」





あの日のことがフラッシュバックして…



止めなきゃ…






『勇征やめて！！』



「……っ」





やっと聞こえたのか
狼はピタッと動きを止めて、落ち込むワンコに戻る。





「ごめん…」


颯「鶴の一声やん」


正「Aの言うことしか聞かねーのかよ笑」


チ「こいつ、Aのことになると手つけらんなくて」


「でもまぁ、それなら安心だわ。
勇征、何があってもAのこと守れよ」





それが何を意味してるのかは分かんなかったけど
「じゃあな」って帰って行った正也。



用ってなんだったんだろ？

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