二乗のあいつ【東海オンエア】 (ページ23)

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…

『んー、海とか行きたいよね』

と「デートスポットじゃねぇか」

車に乗りこんでいざ出発。

運転しているとしみつは何回も見たことあるけど

今日は一段とかっこよく見える。

としみつはいつもより張り切ってるみたいで、

普段着ないような少しかっちりした服を着ている。

なら、私ももっと綺麗な感じの服にすればよかったかな。

ロングスカートを揺らしながら、海辺を二人で歩く。

夏ももうすぐ終わる。

そんな日付でも、太陽は容赦なくて。

気を抜けば真っ黒に焦げちゃいそう。

と「…今日、一日をさ

お前の一日を」

そこまで言って、

としみつは照れる。

次の言葉を待つけど、中々言わない。

と「…やば……めっちゃ恥ずい。」

『いや、言う前に照れんで～？』

茶化しても、まだ言わない。

焦らしすぎ。

心を落ち着かせられないのか、ずっと深呼吸してる。

と「……ふぅ、

お前の一日をさ、俺に頂戴？」

『…っ！』

手を握られているからなのか、

真剣な眼差しにやられたのか、

やけに顔が熱くなる。

『……い、一日だけ？』

貪欲な私はそう呟く。。

そっと顔を覗き込むと

と「あ゛～それはずるいだら」

と、抱き寄せられる。

ずるいのはそっちだ。

私の気も知らないで、そんなカッコいいことされたらもう、抜け出せないじゃん。

と「でも俺、一日だけで我慢する。」

そっと体を離して、お互いの目を見て、

それを合意ととるか、ポンコツととるか。

顔が近づく。

そっと目を閉じる。

と「…もうちょっとだけ、そばにいたい。」

…