【HQ】若返りトリップしたので青春ってやつをしてみよう (ページ48)

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「…本当にありがとうございました！最後に握手してくれませんか、先生！」
友達は満面の笑顔で先生の前に立ち、握手を求める。
手を伸ばした先は……保健の先生！

保健の先生は目を丸くして驚き、完全スルーされた友達の担任と校長が目を見開いて茫然としてる。
「私が毎日学校に来れたのはもちろん一緒に頑張るAや後輩がいたおかげですけど、先生の支えもあったからです」
「ありがとう…。でもほら、他の先生達も…」
保健の先生は嬉しそうだけど、ちらちら校長と担任を見て困った顔してる。
「謙虚しないでください。先生が私やA達を支えてくれたんです！私も先生みたいに誰かを支えられるような人になれるように頑張ります」
友達はわざとらしいくらいの輝く笑顔で保健の先生とほぼ強引に握手をした。

…あーwwwなるほどwww

私は吹き出しそうになるのをこらえた。
友達は校長や担任含めてお礼言ってるように聞こえたけど、ほんとは保健の先生にしか言ってなかったんだね。
校長と担任も自分達に言ってると思ってただろう。だけど違うとわかってぽかーんとしてる。あ、怖い顔になった。
”俺らに謝るべきだろが！何スルーしてんだよ！”
とか思ってるかも。顔に不愉快って書いてるように見えるwwwざまぁwww

友達は最後まで睨んでくる校長と担任を無視して元の位置に戻った。
私は隣に立つ友達を見て微笑む。やるじゃん、て思いながら。
それが伝わったのか友達はにっと笑い返した。

……さて、いよいよ私の番だ。

私は緊張しながら前に出ると、校長から卒業証書を差し出される。
ようやくここから出ることができるんだ。青城に行けるんだ！
私は大きな喜びを感じながら受け取った。

卒業証書を大事に持って一歩下がると担任に視線を向ける。
「先生、ボイスレコーダー返してくれますか」
淡々と要件を言うと、鋭い目で睨みつけられる。

こわ。なに睨んでんだよ。
レコーダー拾った先生(私が1年の時の数学の先生)から受け取ってるでしょ？早く返してよ。

「…その前に言うことがあるでしょう」
先生が苛ついた顔で言ってくる。なに？…あ、もしかして騒ぎ起こしたの謝れって？やだね。
「言いたいことは教室で全部言ったのでありません」
無表情で返事をすると先生の眉間の皺が深くなる。
「あなたのせいで保護者にも何人か聞かれたのよ！」
え？そうなの？

私は気づかなかったけど、外に放ったレコーダーの音声を何人かの保護者に聞かれたらしい。