【HQ】若返りトリップしたので青春ってやつをしてみよう (ページ38)

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「ちょっと騒がしいですよ。はしゃぐ気持ちはわかりますけどもう少し静かにさせて下さい」
ドアを開けたのは隣のクラスの担任(おじさん。私の担任より年上)だった。先生は慌てて「すみません！」と謝る。

私達の声が聞こえてたんだ。
私も×達もあんな怒鳴ったり机叩いて大きな音鳴らしたもんな。何言ったかまで聞こえてないみたいだけど。
隣のクラスの先生は黒板の前で向かい合ってる私とブスに気づき視線を向けると、ブスのキレ顔を見てぎょっとする。このブス先生達の間じゃ”優しい美少女”で通ってたからな。ブスの鬼の形相にめちゃくちゃびっくりしてビビってる。

ブスは慌てて満面の笑顔を作り、
「ごめんなさ～い！私達ちょっとはしゃぎすぎちゃって大声出しちゃって。気を付けますね。もう戻って大丈夫ですよ」
って謝って、帰るよう促す。
”帰れ”って言う心の声が聞こえた気がした。

―――ちょうどいい。
こいつも巻き込もう。

私は心の中でにやりと笑いながら隣のクラスの担任と目を合わせた。
「先生、うるさくしてすみません。今、大事な話をしてたんです。私を精神的に傷つけて追い詰めた加害者の×達と皆のことについて」
私がそう言うと、ブスも、隣のクラス担任も先生も、皆もぎょっとした。
この時の先生の慌てっぷりはハンパじゃなくて、「ちょっと(人1)さんが勘違いしててそのことで話してただけです。大丈夫ですから」って隣のクラスの担任にごまかす。
先生、「余計なこと言うな！」って言ってる顔で私を睨んできた。

なに睨んでんのさ。まじクズ。ほんとのことじゃん。

「勘違いじゃないですよ。×は私のこと”ブスが調子に乗るな”って言ったり”皆に迷惑かけてる根暗ブス”とか言ったんです。あと”急に卒業式だけ戻る私をせっかく優しい心で迎え入れてあげようってのに”って上から目線で言ったんですよ。自分が一番私を傷つけてきた加害者のくせにですよ？
それで我慢ならなくて怒って大声を上げてうるさくしてしまってすみませんでした」
私の話を隣のクラスの担任は茫然としながら聞き、疑惑の目で×を見つめる。
今までなら表向きいい子な美少女を信じて私を信じなかったかもしれない。でもさっきの異様な雰囲気のキレ顔のブスを見たから疑う心ができたかもしれない。
「…本当なのか？」
「違います！そんなこと言ってません。ひどいよ(人1)さん、そんな嘘つくなんて…」
ブスは弱弱しい声で言い泣きそうな顔を作る。