【HQ】若返りトリップしたので青春ってやつをしてみよう (ページ28)

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私は手を握りしめ、勇気をだして教室に一歩足を踏み入れた。

するとざわ、とざわめきが広がる。私は教卓の前に立つ先生の後に付いていき、少し離れた所に立った。そして今だ緊張と恐怖でドキドキしながら生徒側を見る。
同じクラスメイトの驚いた顔と、興味ないって顔が視界の隅に入る。

3年になってからも教室に来たことないけど、クラスメイトが誰かは担任に聞いている。ここは田舎の学校で生徒数も少ないから、3年は3クラスしかない。
クラス替えしたってたいして変わらなくて、半分位は2年の時のクラスメイトだ。残りは1年の時のクラスメイトとか同じ委員会や同じ部活だった奴らで、一部が全然知らない子達。

私を見て驚いてるのはクズ共と私を知ってる奴らだ。
私のブスっぷりをよく知ってるから、

「あれ(人1)？なんか違くね？」
「ニキビなくない？」
「髪とかキレイになってる」
「デブだったのに細くなってる…」
「私(人1)さんてあんま知らないけど、なんか感じ違くない…？」
「前はもっと暗い、根暗な感じだったよね…」
「うん。女捨ててるって感じだったのに…なんか変わったね…」

とヒソヒソ言ってる。

2年の時のクラスメイトの何人かがじとりと睨んできた。
「マジで来たのかよ」「来るな」「迷惑」って言ってるように感じる。鈍い私だって、どう見たってこいつらが私を歓迎してないってわかる。嫌悪してるってわかる。
まぁ、最初からそれはわかってたけどね。

私は「じろじろ見るなキモイ」って思いを込めながら睨み返した。
睨み返されるなんて思ってもいないだろう奴らは驚く。
まだビビリでもヘタレでも、それでももう私は前の私じゃないんだよ！
覚悟しろよクズども。

「皆、おはよう。今日はいよいよ卒業式です。こんなに嬉しい日にさらに嬉しいことが起きました。前に話した通り、(人1)さんが教室に帰ってきました！こんな嬉しいことはないわ。皆、拍手で(人1)さんを迎えてあげましょう！」

先生が拍手をするとクラスの奴らも拍手する。やる気ない顔で。
私は真顔で、白けた目で見ていた。
なんだこの茶番。くだらない。
ていうか”迎えてあげましょう”ってなにその上から目線。ムカつく。誰も迎えてほしいなんてお願いしてないっての。

「卒業式のプログラムは一通り教えてあるけど、練習してないから皆でフォローしてあげてね」

皆めんどいって思ってるだろうな。一部が露骨にそういう顔してる。
そりゃそうだ。私もそう思う。