東京 ページ1
静かに降り続ける雨
窓をつたう雫を目で追いかける。
街の喧騒をくぐり抜け、たまたま見つけた古びたカフェ。
こんな雨の日は、こっそりホテルを抜け出して夜の街を歩く。。
傘をさした人達は互いに存在を消して足早にそれぞれの目的地へと急ぐ。
誰も他の人の事なんて気にしない。
それは、芸能人という職業の僕にとっては好都合な事。。
芳ばしい珈琲の香りに誘われるように入ったここは
おじいさんが1人で経営している小さな隠れ家のような場所だった。
他にお客さんが居ないことを確認して
『よかった…』と心の中でつぶやく。
いつもなら、1人で散歩はしても絶対にどこかに立ち寄るなんてありえない。
僕のそばにはいつもマネージャーがピッタリとくっついて、良くも悪くも僕を守ってくれている。
でも、今日に限ってこの場所で僕の足が立ち止まったのは、もちろん美味しそうな珈琲の香りのせいもあるけれど、どことなく佇まいが、あの大好きな教会に似ていたからかもしれない。
普段なら絶対に脱がない帽子をテーブルに置き、軽く前髪を整える。
「いらっしゃい」と静かに置かれたグラス。
テミン「、ありがとうございます。커피(コピ)…、じゃなくて、、コーヒーをください」とつげると、おじいさんは小さく微笑みながら奥へとさがっていった。
日本でのツアーもあと残り二公演。
今日は簡単なリハーサルと、来月からの日本でのソロ活動のための雑誌撮影で一日が終わった。
昨日、東京へやってきてからずっと降り続けている雨は、きっと雨男の僕のせいだろう。
最近ではメンバーですら、天気の悪いのを僕のせいにする。
最初こそは僕は雨男じゃない！と言い張っていたけど、ここまで雨の確率が高いなんて認めざるおえないのかな。。
でもそのお陰で、僕はこうやって知らない街を1人で歩けるのだけれど。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 178人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しょくぱん(プロフ) - リセさん» リセ様、素敵なコメントありがとうございます！！このような作品を読んでくださり、また続きを楽しみにしてくださり、とても嬉しく思います！！ (2017年11月26日 17時) (
レス) id: d9f3752999 (このIDを非表示/違反報告)
リセ(プロフ) - とても好きなテイストの話です( ; _ ; )武道館で歌ったテミンと重ねてしまう( ; _ ; )続き楽しみにしています！ (2017年11月26日 15時) (レス) id: d6233cb381 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しょくぱん | 作成日時：2017年10月21日 14時
