紅一点×SnowMan (ページ6)

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「なんですか？」

滝『あのさ、とりあえずこっちにきてほしい。』

腕を掴まれて、誰もいない部屋に連れて行かれる。

滝『ちょっと待ってて。』

お兄さんが出て行ってしばらくしたら、
小さなおじいさんと一緒にやってきた。

滝『この子です。』

社『君か。名前は？何歳？』

誰このおじいちゃん。とりあえず質問に答える。

「松雪A。13歳ですが。」

社『ダンスはできるの？』

「少しならできますが。」

踊ってみてよなんて言われたから
この間大会で踊ったダンスをする。

滝『やば、、、。』

社『タッキー。気が変わった。この子だけ入れよう。他の子はもう帰すなり形式上やるなり適当にして。』

滝『分かりました。この子はどうします？』

社『親御さん呼んできて。』

バタバタとお兄さんが部屋を出ていく。

社『君はアイドルとか興味ないかい？』

「ないです。好きなダンスをするだけでいいので。」

そんな話をしていたら、興奮した様子の母親と、
涙を流す姉の姿が見える。

母『あんたすごいじゃない！』

姉『なんでAなのよ。』

私を睨む姉を無視して、お兄さんが母に話しかける。

滝『Aさんをうちの事務所で受け入れたいのですが。よろしいですか？』

は？私は芸能界とか全く興味ないのに。

「いやで、、、」

母『もちろんです。どうぞ。』

母が勝手に入所を決めてしまい、
私はオーディションを受けてないのに、
唯一の合格者になっていた。

ーーーーー

それから私の生活は一変して。

とにかくバッシングの嵐。
自宅にも連日嫌がらせが続いた。

それに母は耐えきれなくて精神を壊すし。
今はもう精神病棟で1人生活している。

姉は自分がオーディションに受からず、
私が受かったことが気に入らなかったのか、
同じように嫌がらせなんかしてきて。

それなりのお給料をもらっていたから、
すぐに自宅を出て、社長が用意してくれた
高級マンションに住んでいる。

その家を知っているのが、社長と優吾だけだ。

「優吾〜。ハグして。」

高『はいはい。もう寝るの？』

「うん。今日はもう疲れた。」

おいでって言われて腕の中にすっぽりとおさまる。
入所した頃はそこまで変わらなかった身長も、
いつの間にか優吾の方が大きくなっていて。

ほのかに香る香水の匂いに安堵して深い眠りについた。