紅一点×SnowMan (ページ34)

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彼の熱が入ってきた時になんともいえない感覚になる。

今日が初めてだったはずなのに。
ずっと前から知っていたような。

「あっ、、、。」

『気持ちええの？』

「ん、、、。大毅は、、、？」

『、、、俺も気持ちいいで。もっと動いてもええか？』

私は返事の代わりにぎゅっと抱きついた。
それからはお互い理性が無くなって。
無我夢中で目の前の人間を求め合った。

健人みたいななし崩しの関係でもなく、
過去にあったワンナイトな関係でもなく、
恋人としてのこの関係。

「初めてなの。」

『ん？』

「彼氏できたの。」

『ええっ？そうやったん？やったらもっと優しくしたら良かったなぁ。』

ピロートークなんて不要だと思っていたけど、
決してそんなことないんだな。
大毅とはもっと話していたい。

「優しかったよ。今までの誰よりも。」

『、、、。そっか。もうこれからは俺だけにしといてな？』

私はうなづいて大毅の胸に顔を埋める。

『ほんま好き。めっちゃ好きやで。』

人からの好意ってこんなにも温かい気持ちになるんだ。
私はその日過去一で心地良く眠れた。

「んっ、、、。」

かなり熟睡したからか、ずっと目が覚める。
隣の大毅はまだ寝ていて。だからこっそりと抱きついた。

『朝から可愛いことしてくれるやん。』

「えっ？起きてたの？」

『うん、ちょっと前からやけどな。おはよう。』

「、、、。おはよう。」

恥ずかしくて彼の胸に顔を埋める。

『今日は仕事は？』

「やすみ。」

『奇遇やな。俺もオフやねん。やからさ、、。』

朝からええことしよか、なんて言われて
2人でベットに沈む。

そんな知り合ってまだ短いのに、
ずっと前から知っているような安心感。
決して他人には言えないけど、それでも全然良かった。

あっという間にクランクアップの日をむかえて。

明日から大毅は帰ってしまうから。
最近は毎日一緒にいたから寂しい。

打ち上げには過去に嫌なことあったから
参加はしないことにしている。

みんなが打ち上げの会場に向かう中、
私はいつも通りにタクシーに乗り込む。

そしたらこっそりと抜けてきたであろう
大毅も乗ってきて。

重『おっちゃん。ここ行ってくれん？』

運転手『かしこまりました。』

車は静かに走り出す。

「え？どこ行くの？」

重『んー。内緒。楽しみにしといてな？』

そのまましばらくタクシーに乗り、
どこに行くのかわからないまま、走っていた。