紅一点×SnowMan (ページ30)

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side NAKAJIMA ページ30

初めて姫が俺と会うのを断ってきた。

今まで一度もそんなことはなくて、
それなりに俺のことを優先して考えてくれていると
思っていたから結構動揺している。

なんでだろう。他の人と過ごしたのだろうか。
許せないって気持ちと、今までごめんって気持ちがあって。

混乱しながらも今日も撮影だから現場に入った。

「あ、シゲ。おはよう。」

重『おはよう。今日も相変わらず中島健人やなぁ。』

「何それ。」

シゲとはこの撮影でかなり仲良くなって。
おもしろいし、仕事にもストイックで価値観も似てる。

周りを見渡したら、
みんなの輪とは少し離れたところに佇む姫が見えて、
向かおうとしたらシゲに腕を掴まれた。

重『どこ行くん？』

「どこって松雪さんのところだけど。」

あくまで普通を装って答える。

重『もし、昨日こーへんかったことを聞くんやったらやめとき。』

「えっ？」

なんでシゲが知ってるんだろう。
何か聞いたのか？

重『健人、しばらく松雪さんとプライベートでは会わんほうがええ。』

「、、、。それってシゲには関係ないよね。」

まるで昨日はシゲが会っていたような素振り。
姫のことを分かってますって表情。
思わずイラッとした顔になる。

重『ここ、気づかへんの？』

シゲが自分の目の下を指差す。

目の下？姫の顔をよく見ると
化粧でも隠せないくらいのクマがある。

重『あの子、相当寝不足やで。健人とおるとあんま寝れてないんちゃうか。やからしばらく休ませたって？』

気づかなかった、、、。

あれだけ姫のことを見ていたのに。
それをシゲはちゃんと気づいていて。

俺の方が姫と長くいるのに。
気づかなかった悔しさとシゲの方が分かっていることに
ショックを受けた。

重『ほな、今日の撮影も頑張ろや。』

にこにこと笑ってみんなの輪の中に入るシゲ。

その笑顔が今は辛い。
しばらく俺はそこに呆然と立っていた。