紅一点×SnowMan (ページ16)

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⭐︎ ページ16

秀明くんはいつもそう。

彼とプライベートで関わることは一切ないけど。
わざと楽屋でキスしたり人の多いところでハグしたり。

一部秀明くんに好意のある人からは、
嫌がらせされることはあったけど、
やっぱり彼のバックは強力だから、
こうしておくことで嫌な思いをすることは減った。

雅『それにしてもあなたの顔は化粧のしがいがあるのかないのか。』

「それって褒めてる？」

雅『褒めてるわよ。肌も綺麗でパーツも綺麗だからやることないのよ。』

やんなっちゃうなんて言いながら
アイラインを引いていく。

雅の引くアイラインが絶妙な長さで
お気に入りなんだよね。

雅『できたわよ。』

「いつもありがとう。大好き。」

雅『はいはい、そんな心のこもってない大好きはいらないわ。』

「よく分かったね。でも感謝の気持ちはほんとだから。」

にこっと笑って現場に入る。

スタッフ『松雪Aさん入ります。』

「お願いいたします。」

そこからは役者モードだ。
役者をしているのは楽しい。

その時だけはアイドルではなく、
普通の人間を演じることができるから。

この事務所に入って良かったのは、
こんな演技の仕事がたくさんあることだ。

これからほぼ毎日ドラマの仕事だな。
今回は映画も並行してあるから大変だけど。

あ、ただ一つお願いしないといけないことがあるんだ。

「プロデューサーさん、すみません。」

プ『あぁ、君は松雪さんだね。タッキーの。どうしたんだい？』

「私のクレジットにグループ名の表記を入れてください。」

プ『グループに所属していたっけ？』

「はい、SnowManと言うのですが。」

プ『分かった、載せておくよ。』

「ありがとうございます。」

グループに所属してしまった以上、
私にはそのグループ名を広める役目がある。
多分今1番仕事があるのは私だから。

後日、初回放送の時に、
私の名前の後ろにはSnowManの表記があって。

そこそこ話題にはなったらしい。