マネージャー×SnowMan① (ページ10)

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side FUKAZAWA ページ10

やっば。
まさか、Aさんと付き合えるなんて。

顔はどうにか平静を装っているけど、
心の中でリトル深澤が喜びまくっている。

正直告白をするつもりは一切無かった。
そもそも告白はされたい派だし、
振られる可能性が高いなら告白するのはまずありえないし。

だけど、花火大会に浴衣でやってきて。
甘いもののことだけど大好きなんて
言ってるのを聞いてしまって。

暗い中2人で花火を見ていたら
気持ちを伝えないわけにはいかなかった。

そしたらまさかの返答で。
綺麗な人だし、元彼はいると思っていたけど、
芸能人だとは思っていなかった。

有名な人なのかな。
そこまでは怖くて聞けなかった。

でも、もしも少しでも俺自身に
興味を持ってもらえているのならと思って、
ちょっと強引だったけど、どうにか付き合う方向に
もっていくことができた。

『ふふっ、よろしくね。とりあえず敬語はなくていいよ。』

「はい、、、。いや、うん。わかった。あと、呼び捨てでもいいかな？」

『もちろん。よろしくね辰哉。』

うわー。辰哉とかやばい。グッとくる。

『今度こそ帰ろっか。』

「送るよ。家まで。」

『そんな、大丈夫だよ。もう夜遅いし。』

「いや、だめ。だって彼女でしょ？」

そうやって言った時にちょっとだけ顔を赤くして
小声でありがとうって言ってくるA。やばいな。

一緒に電車に乗って帰る。
花火大会が終わってからしばらく時間が経ったから
そこまで混んでない。

一人暮らしだとは知っていたけど、まさか
こんな都心のでかいマンションに住んでるとは
思わなかった。

「えっ。ここに一人暮らし？」

『そうだよー。あ！でも、正確には本当は家族で住んでいたんだけど。父がアメリカの大学に勤めることになって、母もそっちに着いていっちゃったから。姉は元々自宅を出ていたし。私は進学が決まった時だったから、日本に残ることにしたの。まあ、両親はもう日本に戻ってくることもないし。実質的には一人暮らしって感じかな。たまに家族がバケーションで泊まりに来ることはあるけどね。』

「なるほどね。」

『良かったら少し寄っていく？』

さらっと自宅に招待してくれるA。

俺、一応男子高校生なんだけど。
そんな夜に誘われたら何もしないではいられないと思う。

「いや、遠慮しとく。」

『そう？分かったー。また今度ね。』

おやすみと言って、こちらを見ることもなく
エントランスの中に入るA。