マネージャー×SnowMan① (ページ9)

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「そろそろ帰ろっか。」

駅に向かって歩こうとすると手首を掴まれる。

『あの、、、。』

「ん？どうした？」

『多分、Aさんに会った時から一目惚れで。好きなんです、Aさんのこと。俺のこと本当ただのガキだと思ってると思うんですけど、言わずにはいられなくて。』

目を見て真剣な表情で私に伝えてくれる辰哉くん。

「あの、ガキとかは本当思ったことないよ。辰哉くんは多分同年代の子達よりは全然大人っぽいし。最初はあんまり興味はなかったのは確かなんだけど、接していくうちにすごく優しくて、素敵だなって思ったんだよね。」

『まじすか？だったら、、、。』

「でも、付き合うのは無理かな。」

『え、なんで。』

私の回答に全く納得してない雰囲気の辰哉くん。
そりゃあそうだよね。

「私ね、芸能人の人とは付き合いたくないの。」

『、、、。』

「だから、気持ちだけもらっとくね。ありがと。」

もう特に話すこともないし、
帰ろうと手首を掴まれている手を振り解こうとすると
さらに強く掴まれた。

『ごめん。それじゃあ納得できないです。深澤辰哉自身が嫌なら納得します。けど、Aさんの言い方はそうじゃないっすよね？何かあったんですか？』

「、、、。」

『嫌なら、話さなくていいですけど。』

こんなタイミングでも辰哉くんは優しいんだな。

「私ね、元彼が芸能人なの。付き合っている時にあまり良い思いしてなくて。色々辛かったから。だから、ちょっとトラウマもあって。」

『あの、それ俺が払拭できないですか？』

「えっ？」

『Aさんは確かに元彼が芸能人で嫌な思いをしたかもだけど、俺はそうやって悲しい顔をさせたりはしません。その元彼とは違います。まあ、俺はまだ所詮Jr.で全然売れてもいないですけどね。だから、もう一度芸能人ってよりは、深澤辰哉自身を信じてもらえませんか？ガキだし、今は全くAさんに不釣り合いですけど。』

辰哉くんのあまりにも真剣な顔に心が揺れる。

「でも、、、。」

『嫌になったら、遠慮なく振ってください。もう、Aさん以外、好きになれないんです。』

「うん、、、。分かった。よろしくね？」

『まじすか！やっば！嬉しい。大切にします。』

そう言って真剣な表情から笑顔になる辰哉くん。

この誠実さと優しさに、もう一度、
芸能人ってフィルターを無くして信用してみようかな。
そう思った。