⭐︎ ページ43
きっと私がなかなか会えてない中で
他の人がいいなと思ったんだろうな。
なんでだろ。悲しみはあるけど、
なんだか納得してしまっている自分がいて。
それだけ辰哉との距離が離れていたんだなと実感する。
ブーブー。
携帯のバイブ音が鳴る。
誰かは想像つくけど携帯を開くことはできなかった。
それからメディア対応やキスマイの仕事に追われていて、
忙しさが増していく。
そんな中で衣装合わせの日程を間違える
大きなミスを犯してしまう。
最悪だ。
辰哉とのこともあるし、
仕事も忙しすぎて自分の管理をできていなかった。
たくさんの人に迷惑かけて。
プライベートと仕事をちゃんと分けられてない。
なんとか真山の力も借りてリカバリーはできたけれども。
その後も全然仕事に集中できなくて、
飲み物を買いに行く。
北山『あっ、Aちゃん。』
「みっくん。」
北『ねぇ。何かあった？』
みっくんはいつもそうだ。
私が辛い時、悲しい時にいつも最初に気づいてくれる。
声があまりにも優しくて
スキャンダルの時から我慢していた涙がこぼれて来た。
「仕事でミスして。」
『うん。』
「プライベートも上手くいってなかったのもあって仕事に全く集中できてなかったの。」
『そっか。』
それからずっと涙を流す私を
みっくんは優しく抱きしめて、
あやすように背中をポンポンと叩いてくれた。
「ありがとう、少し落ち着いてきた。」
『いーえ。てかさ、ひょっとして深澤と付き合ってる？』
「えっ？」
『いや、なんとなくね。大丈夫。俺しか気づいてないよ。』
「、、、。うん。だけど、ここ半年くらいは付き合ってるっていえる状態ではなかった。」
『そっか。この後空いてる？ここでできる話じゃないでしょ。』
「ありがとう。もう少しだけ作業したら帰れるから。」
『じゃあ、ちょっと飲みに行こ。』
みっくんに誘われて近くの個室居酒屋に行く。
ただ、全く飲みたい気持ちになれなくて
ウーロン茶を頼む。お酒好きなのに。
『飲まなくていいの？』
「あんまり気分じゃなくて。疲れもあるから多分めっちゃ酔う。」
『あーね。』
「ほんと、何やってるんだろって感じ。」
『それはあいつの方でしょ。撮られてるし。』
みっくんは笑いながら目の前のビールを飲んでいる。
「まあ、それはあるかもしれないけど。私も悪い。」
『とりあえず話してみ。』
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作者名：しょこら | 作成日時：2023年12月21日 21時
