紅一点×SnowMan⑧ (ページ10)

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店員『分かりました。ではこちらにいくつかご記入いただきたいのですが。』

A『あの。住所は、自宅ではないといけませんか？』

店員『えっと、どちらを書かれますか？』

A『事務所でも可能であれば事務所を書きたいのですが。』

店員『確認してまいります。』

そう言うと店員さんがバックヤードに下がっていく。

渡『お前大変だな。』

A『まあね。基本的に荷物は直接受け取りしてないし、可能な限り郵便物は事務所受け取りにしてるんだよねー。』

過去に色々あったAは、
こうやってプライベートでも
気を遣って生活しないといけないのか。

大変だな、、、。

店員『お待たせいたしました。確認したところ、大丈夫です。』

A『ありがとうございます。』

店員『特殊なお仕事ですものね。大変ですよね。』

A『んー。まあ、そうなんですかね。』

おそらく同年代であろう店員さんが
心配そうな顔でAを見ている。

あ、まさか。

「あの、ひょっとしてAのファンだったりします？」

店員さんは少しだけ目を見開いて黙っている。
てことはやっぱりそうかな。

佐『大丈夫っすよ。言ってもらっても。』

店員『あの、お恥ずかしながら、ファンクラブにも加入させていただいてます。本当に昔から松雪さんのファンでして。まさかお店に来られるなんて思わなかったので、びっくりしました。』

A『そうなんですね。ありがとうございます。』

店員『けど、プライベートですし、今日来られたことはもちろん守秘義務がありますので、大丈夫です。』

A『そこは信用してるので大丈夫ですよ。』

だからこの人はAの雰囲気にあったものを
チョイスすることができたんだな。

店員『では、ご準備してまいります。』

ぺこっとお辞儀して
バックヤードに下がっていく店員さん。

渡『まさかファンだったとはね。』

「さすがはうちの二大エース。」

佐『ぶっちゃけさ、俺らのことなんか全然気にしてなかったよなー。』

A『さすがに分かってると思うけどね。あの人、所作とか綺麗だったな。多分良いところの人だよ。』

「まじ？」

A『うん。雅もそうだけど、育ちの良い人の話し方だし、しぐさだったよね。やっぱその辺りって隠せないからさ。』

佐『へー。』

佐久間はあまり興味なさそうだけど、
なべが何か考えことしてる。