紅一点×SnowMan⑧ (ページ44)

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すやすやと眠る彼女にバスローブを着せると、
隣に俺も寝転んだ。

「これは予想外だったな、、、。」

薄暗い灯りの中、思わず独り言がでてしまう。

一言で言えば、最高、だった。

今まで、いろんな女の子を
それなりに知っていたはずなのに。

そんな過去の記憶が
全てどうでもよくなってしまうくらい、
彼女との時間は濃厚で忘れられないものになった。

正直、もっと淡白な人間だと思っていた。

普段、割と一線を引いて人と関わるから、
こういった好意において、
彼女の意思はそんなにないと思っていた。

それがいい意味で裏切られた。

彼女の声、表情、雰囲気は男を虜にするには十分すぎて。

付き合いたいとか、そんな気持ちにはならないし、
なれないけど。

なんで北斗くんや風磨くんがAのことを
気にいるのか、彼女に惹かれる人間が
たくさんいるのかは分かる気がする。

「ずるいなぁ。」

いつもより幼さの残るあどけない寝顔も。

A『むにゃ、、、。』

普段絶対聞くことのない寝言も。

そして少しだけ触れ合っている肌の感触も。

「いざ、彼女が離れて行った時、未練なく手放せるのかな、、、。」

俺の独り言はすぐに消えた。

気づいたら眠っていて。
朝起きたら隣には誰もいなかった。

ガシガシと頭をかいてリビングに向かう。
俺の予想が合っていたら、
きっと彼女はあそこにいるはずだ。

『あ、おはよう。』

「うん。おはよ。」

やっぱり。ダイニングにはいい匂いが広がっている。
彼女はもう着替えたらしい。

「うわ、うまそっ。」

『大したものは作れてないけど。』

「あれ。もう着替えてる。」

『蓮が起きるよりかなり前に起きたから。』

俺も着替えるかぁ。そう思って洗面所に向かう。

『あ、蓮！』

「ん？」

『バスローブ、ありがとね。』

何事もなかったかのように振る舞っていたかと思いきや、
急に昨日の気持ちに戻される。

俺はAの後頭部に手を回すと、強く口付けた。

「どーいたしまして。俺、着替えてくる。」

『うん。基礎化粧品や洗顔、タオルなんかは適当に使っていいから。』

「ありがとう。」

洗面所に向かうと、そこには最高級の基礎化粧品達。

専属のメイクさんがプロデュースしてる
ブランドのもので、Aはそこの
ブランドミューズだから全部貰い物らしい。

ならばと贅沢に使わせてもらう。ほのかな匂いが、
Aがいつも纏っている匂いと同じだ。