紅一点×SnowMan⑧ (ページ41)

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確かに人と会う予定はある。
けど、それは雨木ちゃんじゃない。

年の瀬が1番忙しい雨木ちゃんはしばらく会えないから。

車を少しだけ走らせて、路地裏の路肩に停める。
しばらくして背の高いシルエットが見えた。

ライトをパッシングするとすぐにやってきた。

目『うわぁ。噂通りかっけー。』

「もうだいぶ年季入ってるよ。」

目『買い替えないの？』

「うーん。とりあえずは予定ないかな。」

そう。目黒蓮とご飯に行く約束をしていた。
それも私の車で、だ。

誰にも言わないでなんて言われていたから、
こんな風に外れたところで待ち合わせて。

予定を聞かれて嘘なんかついちゃって。

目『ふーん。まあ、いいんだけど。』

いいんかい。
とにかくマイペースな蓮はこんな会話がよくある。

「で？どこなの？お店は。」

『実はさー、ご飯のお店じゃなくて、行きたいところがあるんだよね。』

「あ、そうなの？まあ、お腹あんまり空いてないから助かった。」

『俺も。』

そんな風に言って、笑ってる。

『俺がナビするから、その通りに運転して。』

「分かった。」

多分彼はサプライズがしたいんだ。
じゃないとナビに入れさせるだろうから。

わたしは言われた通りに車を走らせる。

郊外に向かっている、それしか分からないけど。
多分1時間半くらい走らせただろう。

しばらくして着いたところは真っ暗な駐車場だ。

『ここから少しだけ歩くよ。』

「う、うん。」
　

暗闇の中を歩いていく。
手を引かれているから大丈夫だけど、
流石に真っ暗すぎて歩くのが少しおぼつかない。

しばらくしたら小さな公園が見えた。
人は全くいない。

『ここね、たまたま知ったんだ。上見てみてよ。』

「うわぁ。」

そこには満天の星空が見える。
あまりの美しさに声が出ない。

あれは何座だろう。
そんなことを考えながらしばらく眺めていたけど、
なんだか自分に対する不安が大きくなってきて。

自然と涙が出てきた。

「っ、、、。ごめん。」

『ううん。』

蓮はただただ両手を握ってくれている。