紅一点×SnowMan⑧ (ページ31)

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しばらくして、メンバーが続々とやってくる。
もちろん、その中に康ちゃんもいて。

舘さんと目を合わせる。
私は何事もなかったかのように声をかけた。

「康ちゃん？」

向『え？あ、A？どないしたん？』

「奈良の有名な観光地教えて？」

向『へ？』

まさかな言葉に康ちゃんの目が点になっている。

「今度、弾丸で奈良に行くんだけど、何かおすすめの場所ないかなって。」

向『んー。あるある！おかんにも聞いとくで。』

「ありがとう。」

いざ、話し始めたら意外と会話は弾んで。
この様子なら大丈夫そうだ。

向『ちなみに誰と行くん？』

「、、、1人で。」

向『ひ、ひとりぃ？』

「うん。たまには1人で行きたいなぁ、って思ったんだよね。」

本当は1人ではないけど、なんとなく康ちゃんには
後ろめたさがあって、嘘をついてしまう。

向『そうなんや。おかんに今聞くわ。』

そう言って、電話をかけ始めた。

阿『いーな。世界遺産とか見てくるの？』

「そう。今度、奇跡的に2日間OFFを手に入れまして。」

阿『写真見せてね。』

滝『打ち合わせ始めるぞ。』

秀明くんがやってきて、打ち合わせが始まる。
話は主にタイでのことだ。

ある程度話を終えて、みんな各々帰る。

いつもなら速攻で自宅に帰るけど、
今日は珍しく予定がある。

私は表参道のお店に向けて車を走らせた。

おしゃれな佇まいのカフェ。
中に入り、予約名を伝える。

「ごめん、待った？」

雨木『ううん。ちょっと残業していたから。今来たところ。』

そこにはあの時計屋で出会った、雨木ちゃんがいる。

あの時、連絡先を交換してから仲良くなった。
今ではお互い、松雪ちゃん、雨木ちゃんと呼び合う仲だ。

話していたら、同い年であること、
親が関西にルーツがある事、
同じ大学出身であることが判明して。

あまりの共通点の多さに思わず笑ってしまった。