紅一点×SnowMan⑧ (ページ27)

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side YOU ページ27

ロケバスの中でみんな眠っている。

基本的に自分が信用している人の運転ではない限り、
私は寝ることはない。

今日は牧さんも雅もいないから尚更だ。

私は仕方なくスマホを開く。

向『寝れへんの？』

「え？」

隣の席の康ちゃんが私の目を見て聞いてくる。
寝てると思っていたから、話しかけられて驚いた。

「寝てると思った。」

向『あんなことあって、寝られへんよ。』

そりゃそうか。
確かに康ちゃんにとっては怖いことだよね。

「私さ、あんまり人の運転で眠れなくて。」

向『そっか。やったら俺の相手してや。』

1番後ろの席だし、
みんなも寝てるからそれから小声で話す。

「バラエティ的には面白かったけど、良心は痛んだよ。」

向『やろうね。これで余裕でしたとか言われたらそれはそれで泣くで？』

クスクスと笑う康ちゃんを見たら、なんだか安心した。

「良かった。怒ってなくて。」

向『テレビやもん。流石に怒ってないで。やけど。』

「ん？」

向『許してはないからな？』

「えー。どうしたら許してくれるの？」

そう聞いたら康ちゃんは少し考えている様子だ。

向『今日、夕方お家に行かせてや？2人で。』

「う、うん。分かった。」

いつもの雰囲気と少しだけ違う康ちゃんに
戸惑いながらも、それで許してくれるのならと承諾した。

夜中遅くに事務所に着いて、私は自家用車で自宅に帰る。
流石に時間も時間だったからすぐに眠ってしまった。

昼過ぎに目が覚めて、LINEを見る。
康ちゃんから連絡が来ていて、夕方の17時頃に
来るとのことだった。

私は自宅の掃除をして、夕食食べるかなと思ったから
料理をしながら待っていた。

時刻が17時をさした頃、インターフォンが鳴る。
そこにはサングラスをかけた康ちゃんの姿が見える。

私は無言でオートロックを解除すると
そのまま料理を再開した。

向『やっほー、来たで、、、ってめっちゃいい匂いするやん。』

「時間帯的に夕食だなって思ったから。ご飯作ってた。」

向『えー。しかも関西の料理やん。めっちゃ美味しそう。』

康ちゃんはニコニコしながら料理を眺めている。
肉吸いや牛すじ煮込みなど、関西っぽいご飯を用意した。