紅一点×SnowMan⑦ (ページ36)

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side YOU ページ36

デビューに向けての動きが本格化してきた。
お披露目の場はJr.祭りに決まったらしい。

そもそも、それも意味がわからなくて、
秀明くんに抗議しに行ったけど、
それでも覆ることはなかった。

そこしかなかったなんて言うけど、
少年たちの舞台があったし、大体が、
他のグループのファンがいる場での発表はありえない。

そう思ってるのはSnowManもだけど、
それよりもこの人達の方が強く思っていそうだ。

田『ねぇ。姉御。どう思うよ？』

「ありえない。秀明くんに抗議しに行ったけど、却下された。」

『ファンのみんなの前で発表できるのは嬉しいけどさー。違うよな。』

樹に誘われて、2人でご飯に来ている。
こうやって2人で来るのは久々かもしれない。

『トラジャとかどう思うんだろうな。』

「心配だよ。けど、私達には何もできないし、しない方がいい。」

『分かってるよ。』

私達が同時デビューすること。
Jr.の中でも比較的年長組と言われてる
トラジャからしたらかなりショックなことだと思う。

かつで私達がキンプリのデビューを知った時のように。

「所詮、私達は事務所の駒だから。ここにいる以上は従わないといけない。」

『そうだよな。』

樹は、あの大阪公演で発表できなかったこと、
私達と同時になることをどう思ってるのだろうか。

聞きたいけど、当事者である私には
きっと教えてはくれないだろう。

「なんだろう。嬉しいことなのに、こんなしこりが残るの嫌だな。」

『はぁ。だよね。まっ。そうは言っても、お祝いしないとだよ。』

そう言って樹はビールを、
私はウーロン茶の入っているグラスを合わせる。

「うん。樹おめでとう。」

『姉御もおめでとう。』

飲み物を飲み、食べ物も食べる。
2人ともそこまで食べないので、
おつまみが数品机の上にあるだけだ。

『これから忙しくなるよね。』

「そうだね。」

『けど、あれかぁ。姉御は今も忙しいか。』

「ふふっ。おかげさまでね。」

そんな話をしながら、樹はお酒をすすめていく。