紅一点×SnowMan⑦ (ページ22)

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「あ、そう？ならよかった。ソファに座ってて。」

『はーい。』

彼をソファに座らせて、私はハーブティーを淹れる。

「どうぞ。」

『うわっ。うまそう。』

「ハーブティー。飲める。」

『大丈夫っすよ。』

そう言うとフーフーしながら飲んでいる。

「ひょっとして、事務所からここ借りてる？」

『あ、はい。Aちゃんも？』

だからか。
きっと社長が何室かここに買ったんだろうな。

「そう。前にストーカー被害に遭って。会社がここ用意してくれた。」

『あ、同じです。俺もファンの追っかけがひどくて、自宅特定されたんすよ。それを事務所に相談したらこの部屋があるよって。』

「そうなんだ。てことは他にも誰か住んでるのかな？」

『あ、いや。それは無いと思います。事務所の人が2部屋のうち一つ空いてるからって言ってたんで。来たらめっちゃ高級マンションやし、誰も使ってなかったらしくて、めちゃくちゃ綺麗やったんですよね。』

なるほどね。まさかの出会いに驚くばかりだ。

「大変だったね。最近越してきた？」

『いや、Aちゃんも同じでしょ。先月です。ほんま最近ですよ。』

「だから気づかなかったのか。私ここ2ヶ月くらいほぼいなかったから。」

『あー。歌舞伎っすよね。』

「そうそう。ドラマ撮影とかぶっててほぼ自宅に帰ってなかったから。」

大変やなぁなんて笑ってる。

『あ！てか今度ドラマ一緒にやりますよね？』

「そうだね。永瀬主演のやつ。初めてなんだっけ？」

『そうなんすよ。緊張する。けどAちゃんおるから心強いわ。』

「そんなことないって。」

それからたわいもない話をしていた。

『なんか居心地良くて居座っちゃいそう。』

「殺風景な部屋なのに？隣なんだから帰って。」

『俺も綺麗好きやから、こんくらいが落ち着くんすよ。はあい、今日は帰りますー。』

玄関まで見送りする。

「気をつけてね、なんて言わないよ。」

『隣っすもんね。またきますね。俺ん家にも来てくださいよー。』

「うん。おやすみ。」

『おやすみなさい。』

ドアが閉まり、部屋は静まり返る。
寝よう。

あんまり眠れないけど、
それでもベットに横になれば幾分かマシだ。

お風呂に入り、ベットに横になる。
私は強制的に目を閉じた。