紅一点×SnowMan⑦ (ページ20)

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★ ページ20

菊『まじでさ。突然だったのよ。確かに新橋の歌舞伎が始まってからは全然会えてなかったけど、前日にも連絡取っていたし、仲は大丈夫だったと思う。だけどさ、急に自宅に来てほしいって言われて。向かったら一言だけ。【別れてほしい。】って。理由聞いても、仕事に集中したいからの一点張りでさ。』

渡『絶対そんな理由じゃないだろ。』

菊『だよね。俺もそう思う。だいぶ粘ったわけよ。けど最後まで言わなかった。』

そうだよな。
姉御は仕事とプライベートはちよんと分けるタイプだし。

仕事を理由に別れるならとっくの昔に別れてる、
というか風磨と付き合ってないと思う。

「まだ姉御のこと好きだよね。」

菊『そりゃあね。けど、そんな噂が広まっている以上、ヨリは戻せないんだろうね。』

渡『え？お前が別れたこと周囲に話したんじゃないの？』

菊『全く。それならお前達に噂が広まる前に話してると思うよ。』

「だよなぁ。」

てことは姉御サイドが言ったってこと？

渡『え？でもAが誰かに言うとは思えないんだけど、、、。』

菊『多分さ、事務所からなんか言われたんじゃないかな。それ以外ありえないっしょ。』

「まじかー。で、風磨は諦めんの？」

菊『諦めたくはないよ。けど、あの子頑固でしょ。だからまた付き合うとかはもうないと思うんだよね。』

そう言うとため息をついて再び酒を飲む。

菊『だからさ、今日はやけ酒に付き合って。』

「もちろん。」

渡『当たり前だろ？』

その後、テキーラを入れたりして
風磨はガンガン飲みまくった。

「あー。完全に潰れたな。」

渡『珍しいね。』

「まあ、そんだけメンタルにきてるってことでしょ。」

風磨はテーブルに伏せている。

「しょっぴーはさ、どうするの？」

渡『え？』

「姉御のこと好きじゃん。でもいま別れたじゃん。」

そう言うと黙ってカクテルを飲む。

渡『まあ、好きなのは認める。だけど、別れたからといって、自分からアプローチしたりするつもりはないよ。これからも。』

「けどさ。」

渡『俺はあいつの理解者のポジションでいいんだよ。』

「、、、そっか。」

しょっぴーの顔を見たら、
決してそんな感じはないんだけどな。

でも、風磨と別れた姉御が
誰かと付き合うとは思えないしな。

恋愛って難しい。

俺は水で薄まったテキーラを飲み干した。