紅一点×SnowMan⑥ (ページ10)

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渡『そんなもんか。』

A『そんなもんだよ。ほとんどどっちかの家で過ごしてるから半同棲みたいな感じだけどね。』

渡『へー。そうなんだ。』

A『向こうはデビューしてるし、私もこんな立場だからね。かなり気をつけなきゃいけないよね。』

「大変すね。」

芸能人と付き合ったことないからな。

その辺気をつけないといけないとか考えるのか。
大変そうだなぁ。

A『そろそろ帰っていいかな？多分風磨から電話かかってくるの。』

渡『まじかよ。仲良しだな。』

A『まあね。あ、かかってきた。じゃあね2人とも。もしもし？風磨？お疲れ様。うん。今、なべくんと目黒と話をしてた。え？そんなわけないじゃん。』

電話越しに風磨くんと話をしながら、
部屋を出ていくAちゃん。

その顔は恋をしている顔で、
誰にも決して見せない女の人の顔だった。

ガチャっと部屋のドアが閉まる。
その瞬間に悲しい顔をする翔太くん。

「完全に墓穴掘りましたね。」

渡『はぁぁ。聞いたら俺が傷つくって分かってるんだけどさ。やっぱ気になっちゃうんだよね。』

「めちゃめちゃ仲良いんですね。あそこの2人。」

渡『相当ね。風磨なんかさ、最初の頃とかめっちゃAのこと嫌いだったわけよ。それが今じゃあんな感じだからね。なんか相性良いみたいよ。あー。なんか言ってて悲しくなってきた。』

ベットに体を倒す翔太くんの背中は少し寂しい。

「告白はしないんですか？」

渡『うーん。本当はした方がいいんだろうけどね。自分の気持ちにケリをつけるために。けど、そのタイミングを失ったままきちゃったよね。今更しないよ。俺はこのままでいい。』

「俺だったら我慢できなくて言っちゃいそう。」

渡『まじか。ははっ。まあ、俺、Aのこと好きだけど、風磨のことも好きだからさ。言って気まずくなるのは嫌なのよ。』

そんなもんか。
まあ、確かに、友情を壊したいとは思わないな。

渡『もう寝るかぁ。また頑張ろうぜ。』

「はい。おやすみなさい。」

渡『おやすみー。』

俺は翔太くんの部屋を出る。

明日からもまた歌舞伎だ。頑張ろう。
そんなことを思いながら目を閉じた。