紅一点×SnowMan⑥ (ページ9)

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そう言った彼女の顔はとても儚くて。

仕事がたくさんあって順調そうに見える人でも
悩みがあるんだなと思った。

それからしばらく仕事について、
それぞれ話をしていた。翔太くんやAちゃんの
仕事に対する意識は高くて参考になることばかりだ。

渡『あれ、そういえば目黒って彼女いたっけ？』

「いや、今はいないっす。」

A『え？そうなの？モテそうなのにね。』

渡『あ、やっぱり？俺もそう思う。目黒はマジでモテそう。』

俺の彼女がいるかの話から恋バナになる。
Aちゃんは少し嫌そうな顔をしたけど。

「そういえばこの間その辺りの話をできなかったので。Aちゃんの話を聞きたいです。」

A『えー。そんな話すことないよ。』

渡『あんだろ。最近風磨とどこ行った？』

A『ほんとにどこも行ってない。お互い忙しすぎて暇ないの。』

つまんねーなんて言ってる
翔太くんの顔は少し寂しそうで。俺はこの間、
関西Jr.と顔合わせした時のことを思い出した。

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A『なべくん何なの？絶対目黒聞きたいとか言ってないじゃん。』

渡『いや。なんとなくね。関西の輩に絡まれてたから呼んだだけ。』

A『にしても呼びつけ方よ。風磨の話は関係ないじゃん。』

渡『えー。そんなことないって。』

滝『A。ちょっと来て。』

A『分かった。今行く。』

滝沢くんに呼ばれたAちゃんは
俺達の元を離れて滝沢くんのところに向かう。

さすが滝沢くんに唯一タメ語でいける後輩だ。
呼ばれても全く動じてない。

「翔太くん。あれわざとっすよね？」

渡『ん？なんのこと。』

「Aちゃん呼ぶのにわざと風磨くんの名前言いましたよね？」

渡『あーね。関西の奴らが勘違いしないようにね。』

そうやって言って関西のJr.達を見つめる目は、
かつてとんがりまくっていた頃の翔太くんそのものだ。

今も怖さはあるけど、
かなり柔和になってきたからなぁ。

「翔太くんってAちゃんのこと好きですよね？」

渡『ああ。まあいい仲間だよね。』

「いや、そういう意味じゃなくて。恋愛的な方です。」

渡『あー。まあ、ね。本人は全く気づいてないけどね。まあ、風磨との仲をどうこうするつもりはないし。』

そう言ってAちゃんを見つめる翔太くんの顔は
今まで見たことないくらい切ない顔だった。

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