紅一点×SnowMan⑥ (ページ48)

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「え？もうおしまい？」

『ううん。今からSkypeにするの。お祖父ちゃんもおばあちゃんも健在だった。』

そうしてすぐにSkype越しに電話している。

祖母『日本は今、深夜なのかい？』

A『はい。そうなんです。だから真っ暗なんですけど。』

あっ。おばあさんは確か日本人なのか。
だから日本語でやり取りしてる。

祖父『who are you？』

俺が少し見切れていたらしい。
おじいさんが質問している。

A『あー。彼は仕事仲間で。私、アイドルとして日本で芸能活動してるんです。』

「初めまして。渡辺翔太です。」

祖母『あら。そうなのね。そんな話は聞いていたけど、詳しくは知らなかったわ。』

おばあさんはお爺さんに英語で説明している。

それから俺はなるべく映らないようにしながら、
海を見ていた。

そしてAがSkypeを切断する。

「終わった？」

『うん。いつかスウェーデンに行くねって約束した。1歳の頃にしか会ってないみたいだから。2人とも素敵な人でよかったよ。』

心なしか、さっきよりは吹っ切れた顔をしている。

『ごめんね。遅い時間に付き合わせちゃって。』

「大丈夫。帰ろうか。」

『うん。始発の新幹線で帰らないと。』

「まじか。ハードすぎんだろ。」

気づいたら夜明け近くになっていて。
急いでタクシーに戻ると、京都駅に向けて走ってもらった。

「お前、何かあったらまたすぐ連絡しろよ？」

『うん。ありがとう。なべくん居てくれて良かった。』

改札の前でそう言って別れる。

数日後、お母さんが亡くなったこと、
骨は3月にドラマの撮影が終わった後に
取りに行くことをLINEで報告してきた。

【それ、俺も行くよ。】

【ううん。大丈夫。風磨が来てくれるから。】

【そっか。了解。】

そりゃあそうだよな。
俺は少し痛む心を無視して、スマホを閉じた。