紅一点×SnowMan⑥ (ページ42)

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side YOU ページ42

渡『お前どうした？』

「え？」

YouTubeの撮影後、少しだけみんなと談笑していると
なべくんがこっそりと話しかけてくる。

渡『何かあっただろ。他のメンバーは気づいてないと思うけど、明らかに様子おかしかったよ。』

やっぱりなべくんは誤魔化せなかったか。
いつもこの人は私の変化に気づいてくれる。

「あのさ、今日私京都に残ることになったんだ。夜の公演が終わったら、行きたいところがあるんだけど、着いてきてくれる？」

渡『、、、分かった。終わったら楽屋に顔出せよ。』

そう言って夜の公演のために準備に向かっていった。

「牧さんごめんね。仕事の調整うまく行きそう？」

牧『はい。大丈夫です。雑誌の撮影時間を後ろ倒しすることできました。ただ、明日は始発で帰ってきていただかないといけませんが。』

「大丈夫。ありがとう。」

牧『いえ。では私はラウールさんと帰ります。』

「うん。よろしく。」

急遽行きたいところができたから、
牧さんには無理言ってスケジュール調整を依頼していた。

夜の公演も観る。
毎度同じだったとしても、それぞれ発見があるし、
アドリブの入れ方なんかも変わってきてるから面白い。

今のこの複雑な気持ちに対して、
気が紛れるから良かった。

公演が終わって、なべくんのいる楽屋に向かう。

「お疲れ様。公演良かったよ。」

阿『あれ？A帰ってなかったの？』

「うん。明日の仕事バラシになったから泊まることにしたんだ。」

本当は違うけど、あまり追及されたくないから嘘をつく。

阿『そうなんだ。そしたらさー。』

渡『あっ。今日は俺と約束したの。また今度行こうぜ。』

阿『えー。そうなの？みんなで行こうよ。』

「阿部ちゃんごめんね。また行こ？」

阿『A忙しすぎるから全然会えないじゃん。まあ、仕方ないか。今度行こうね。』

たまたまここに居たのが阿部ちゃんだけで良かった。
他の人だったら着いてきそうだ。

渡『他の奴らが来る前に行こうぜ。』

「うん、そうだね。」

早く支度をしてくれたなべくんと一緒に南座を出る。

「ごめん、ここから少しタクシーに乗るんだけどいい？」

渡『分かった。大丈夫。』

それから約1時間、タクシーに乗る。
社長御用達のタクシー運転手だから、何も言わず、
ただただ目的地に走っていく。

車内はなべくんは寝てるし、静かな時間が流れる。
私は見覚えのある景色を見ながらボーっとしていた。