紅一点×SnowMan⑥ (ページ41)

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『あっ。花粉かなぁ。私いつも早いんだ。』

そっか。まだ寒いけど、飛んでるのかなー。
そんなくらいにしか思わなかった。

タクシーに乗って南座に向かう。
Aちゃんは疲れていたのか目を閉じている。

牧『着きましたよ。裏口から入りましょうか。』

A『わかった。』

「はい。」

裏口から南座に入る。昼の公演を見るために来たけど、
朝早く出てきたから時間は十分にありそうだ。

A『秀明くん。』

滝『おー。Aとラウールか。わざわざありがとね。』

A『ううん。むしろ参加できなくてごめん。』

滝『仕方ないだろ。元々ソロデビューのつもりで仕事バンバン入れちゃってたからさ。』

A『新橋からはちゃんと参加するから。』

滝『おー。よろしく。ラウールも良かったな！Aも不参加だから違和感ないだろ。』

あっ。そういうことだったんだ。

もちろん、仕事の関係でもあったと思うけど、
僕だけ出演しないことに違和感が出ないように
してくれたのかな。

Aちゃんって一体どれだけのことを
日頃考えているのだろう。そう思うとすごいなぁ。

A『牧さん。ちょっといい？』

滝沢くんや先輩方に挨拶をしたあと、
牧さんとAちゃんが険しい顔で話をしている。

小声で話してるから内容は聞こえない。

A『ラウちゃんごめんね。楽しみだねー。』

少し待っていたら、お客さんも続々と入ってきて、
公演が始まる。

やばい。SnowMan8人で作っている世界はとても綺麗で、
でも力強くて。

4月からはここに僕とAちゃんも
加わるんだと思ったら気の引き締まる思いだ。

A『どうだった？』

「もう、すごかったです。」

A『ラウちゃんが加わったらもっとすごくなるよ。』

それからYouTubeのための撮影をしていく。
南座の見学をして、お土産をもらって。

「あれ？Aちゃんは帰らないの？」

明日、学校がある僕は帰る予定で。
確か行きの新幹線ではAちゃんも帰る予定に
なっていたはずだ。

A『あー。ごめん。明日の仕事がバラシになったから、明日帰ることにしたんだ。夜の公演も見ようと思って。牧さんは帰るから、一緒に帰ったらいいよ。』

「そうなんですね。分かりました。」

牧さんは一緒に残らないんだ。
そんな疑問はありつつも僕は牧さんと一緒に東京に帰っていった。