紅一点×SnowMan⑥ (ページ5)

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私が事務所と話してること、分かっていたか。
それを踏まえた上でこうして言ってくれる先輩が
いることはありがたい。

『まっ。そんなところよ。これはAにはちゃんと話しておこうと思ってさ。』

「秀明くんありがとう。」

そうお礼を伝えると少しだけはにかんでいる秀明くん。

『まあ、ここうまいからさ。たくさん食べてよ。』

それからは仕事の話や恋愛の話をする。
秀明くんの恋愛話とか貴重すぎてびっくりした。

『お前らは仲良しだもんなー。意外っちゃ意外だし、お似合いっちゃお似合いだよな。』

「なんかみんな最初それ言う。そんなに意外なの？私と風磨。」

『風磨はさ、陽を纏いまくった人間じゃん。で、Aはどちらかというとクールな人だから。2人が話すイメージとか湧かないんじゃないかな？』

「なるほどね。まあ、パッとした感じは逆かもしれない。」

『だけど、2人ともお芝居上手いし、プロ意識高いし、頭いいからいいと思うよ。撮られるのだけは気をつけろよ。』

「分かってるよ。」

次の日も稽古だし、公演も近いからってことで
早めの時間に解散する。

送るって言ったけど、自宅知られたくないとか言って
タクシーでさっさと帰ってしまった。

まあ、私に気を遣わせないためだと思うけど。

自宅に帰るといつもの靴がある。
リビングに行くと彼がいた。

菊『あれ？早かったね。』

「うん。歌舞伎の公演も近いから。早め解散したの。」

『なるほどね。』

そう言うと風磨は黙ってしまった。

「どうしたの？」

『いや、何もないんだよね？』

少しだけ不安そうに私の顔をのぞいてくる彼はきっと、
過去の噂もあったからいろんな感情があるんだろう。

「秀明くんは大丈夫だよ。私を最初に見つけて、事務所に入れた人だから色々と気にしてくれてるだけ。」

『え？そうなの？だから仲良しなわけ？』

「うん。別に仲良しではないよ。けど、姉のオーディションにたまたまついて行ってて。トイレの場所を聞いたのが秀明くんだったの。何かを感じたのか、そのまま社長のところに連れて行かれてさ。で、事務所入ったっていう。」

『まじか。てことはオーディションしてない組？』

「そうなるね。社長が秀明くんに向かって、オーディションは適当にやってみんな落としといてって。」

『超エリートじゃん。』

「でもまだデビューできてないけどね。」