side YOU ページ4
今年の滝沢歌舞伎に向けて、
練習をしている時だった。
滝『A。今日空いてる？』
「え？今日？大丈夫だけど、、、。」
滝『そっか。夜空けといてよ。美味しいもの食べに行こ。』
「誰かSnowManのメンバー呼ぼうか？」
滝『いや、2人で行こう。』
「、、、分かった。」
秀明くんから食事に誘われた。
今までキスしたりしてきながらも、
こうやって2人でご飯に行くのは初めてだった。
まあ、彼のキスは恋愛的な意味は一切無くて、
いわば演技みたいなものだったから。
私もそこには全く感情を持っていなかった。
そして、その日の稽古が終わって、2人でお店に向かう。
滝『まさかAの車に乗る日が来るなんて。』
「乗るために今日マネージャーさんにお迎え頼んだんでしょ？」
『ばれたか。』
秀明くんが予約してくれたのは、
いかにも芸能人御用達って感じのお店だ。
『お酒は？飲めないんだっけ。』
「うん。全くダメだから私はウーロン茶。」
『俺も公演近いからそうしよ。』
秀明くんが適当に食事と飲み物を頼んでくれる。
すぐに運ばれてきて、グラスを合わせて乾杯した。
『こうやって2人の食事は初めて？』
「うん。実はね。変な感じする。」
『だよねー。俺もそう思う。』
そんな話をしながらしばらく雑談をしている。
けど、秀明くんの目的は絶対違うはずだ。
「で？」
『ん？なに？』
「何があったの？」
『それかぁ。いや、実はね。俺、今年で引退しようと思ってる。』
「え？」
まさかのカミングアウトに頭が真っ白になる。
秀明くんはずっと最前線で活躍していて、
それは今もだから。突然の話に言葉が出ない。
「独立するの？」
『いや。後輩の指導に専念しようと思ってる。秋くらいにメディアにも発表されるけど、Jr.の会社の社長にもなるんだよ。』
「それって、表に立ちながらできないわけ？」
事務所としても、後輩達からしても、きっと
秀明くんが引退するってかなりの影響があると思う。
しかもまだ若いし、早いんじゃない？
っていうのが正直な感想だ。
『俺はそこまで器用じゃないよ。中途半端にしたくない。それに。』
「それに？」
『Aを、SnowManを絶対にデビューさせたいと思ってる。』
「、、、ありがとう。」
『お前が事務所から色々と言われてることは知ってるよ。だからこそ必ず、な。』
「そっか。」
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作者名：しょこら | 作成日時：2024年2月17日 14時
