紅一点×SnowMan⑥ (ページ28)

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そこから箸が止まらなくて、
ほぼ話さないままご飯を食べ続ける。

あっ。

話してないって思って顔を上げると、
にこりと微笑んでいるAがいて。

その顔にドキドキが止まらない。
彼氏がおるの分かってるのに、、、。
その顔は反則やろ。

「にしても自分、ほんまにご飯美味しいなぁ。しかもな、なんか懐かしいんよ。なんでやろ。」

『あっ！多分関西ベースの味付けだからじゃないかな？』

「え？そうなん？」

『うん。私のおばあちゃんが京都の人なのね。だから教えてもらった味付けは関西風が多いの。お雑煮もすましか味噌で作るし。』

「そうなんや。お母さんには教えてもらってないん？」

何気なく聞いたことに対してAの表情が曇る。
あ。あかんこと聞いたかな。

『お母さんは料理しない人だったから。私の料理の師匠はおばあちゃんなんだよね。』

あ、そうなんか。これ以上は聞くのやめよ。

「そっか。にしてもこんな美味しいご飯食べれる風磨くん羨ましいわぁ。」

『そうかな。康ちゃんもこれから東京でしょ？関西風の味付けが恋しくなったらいつでも食べにきなよ。』

「ほんまに？そうさせてもらお。」

そこからお互いの今までのことを話しながら、
食事を摂る。ほんまにこの子の空気感好きやなぁ。

食後にノンカフェインの紅茶を淹れてもらって。
そろそろ帰ろうかなと思った時やった。

ガチャ。

扉の開く音がする。
あっ！ひょっとして。

菊『ただい、、、。え？誰？』

A『康ちゃんだよ。向井康二。関西Jr.の。』

菊『、、、。はじめまして。』

風磨くんが帰ってきたみたい。
やけど、めちゃくちゃ睨まれている。

あ。きっといろいろ勘違いしてはるなぁ。

「ちょうど帰ろうと思っていたところやねん。A、今日はありがとうなぁ。タクシーで帰るわ。」

A『うん。下まで送ろうか？』

「いや、大丈夫やで。ありがとう。お邪魔しました。」

そそくさと部屋を出て、エレベーターに乗り込む。

にしても。
俺あんだけ睨まれて、きっと誤解されたよな。、、、

愛されてるんやなぁ。
入る隙がないことに心が少し痛みながら、
ホテルまでタクシーで帰った。