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松雪A。
関西にもその名前は届いていて。
いろんな噂のある子やったけど、
一緒に仕事してそのイメージは変わった。
こんなに綺麗な子が、
仕事では人一倍真面目でかっこよくて。
でも、仕事以外では結構ふわふわした感じの子やな
っていう印象になった。
みんな仕事しとって、
よう惚れへんよなって思うんよね。
少なくとも俺は、風磨くんと付き合ってるって
聞いてへんかったら、好きになっていたと思うんよな。
『着いたよ。』
「ありがとう。にしてもすごいなぁ。」
駐車場には外車、外車、外車。
会社の持ち家とはいえ、そこそこ給料ないと
こんなところ住めへんって感じのとこやね。
『会社がね。行こっか。』
エレベーターをグーンと上がると部屋に着く。
中に入ると、ほんまに言ってた通り、何もない。
いわばモデルルームみたいな感じやった。
「ほんま生活感ないなぁ。」
『あんまり物を置くのが好きじゃなくて。』
シンプルな部屋を見渡すと、
1箇所だけその風景に合わないものがある。
「これって、、、。」
『あー。風磨が勝手に置いていったの。私はいらないから前に捨てたら、また置かれたから諦めたよね。』
「えっ。自分ほんま容赦ないな。」
棚の一角に風磨くんのアクスタがある。
それも歴代のやつっぽい。
シンプルな部屋だからこそ、そこだけ異質だ。
『適当に座ってて。作り置きしていた物とかあるからささっと作るね。』
そう言ってキッチンに向かうA。
ほんまは料理してるところを見たいけど、
ぐっと気持ちを抑えて我慢する。
慣れへんな。
ソファに座るけど、ソワソワして落ち着かない。
『できたよ。』
「え？もう？」
『うん。ご飯とかは予約してあったからね。作り置きばっかりで申し訳ないけど。』
テーブルを見ると、おばんざいセットみたいな感じで
いろんなおかずがプレートにのっている。
「待って。これめっちゃすごいやん。めっちゃうまそうやねんけど。」
『口に合うか分かんないけど。』
「いや、絶対合うわ。いただきます。」
『どうぞ。』
手を合わせて目の前のお肉に箸をつける。
口に入れると、めっちゃ美味しかった。
「待って。めっちゃおいしいねんけど。」
『ほんと？良かった。』
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作者名：しょこら | 作成日時：2024年2月17日 14時
