side KIKUCHI ページ45
お風呂から上がると、
ベットで猫みたいに寝ているAがいた。
「可愛いな、、、。」
思わず心の声が出てしまう。
普段はSnowManの雰囲気に合わせて、
かなりクールな感じでバチバチにアイドルをしている
Aも、プライベートだと結構ふわふわしてる。
まあ、俺につっこんだり、
ツンとしたところはあるけども。
正直、ここまでハマるとは思わなかった。
あわよくば付き合えたらなんて気持ちで言ったら、
まさかのオッケーをもらえて。
そこからゆるりと交際が始まったわけだけど。
見た目に反してかなり家庭的なところも、
年下感のあるところも、ベットの上だと雰囲気が
変わるところも。
知れば知るほど、松雪Aという人間は魅力的で。
ただ、そんな彼女のことを魅力的だと思ってるのは、
俺だけではないのは分かってる。
彼女は自分のプライベートは話さないから、
きっとSnowManにも付き合ってることを
話してないと思ったらその通りで。
翔太やふっかさんがAのことを好きなのは
気づいてた。だからわざと楽屋でいちゃついたりした。
多分翔太は俺が翔太の気持ちに気づいてることを
知らないと思うけど。
そうしたいくらいには、
彼女を手放したくないと思っている。
ただ、無理矢理付き合い始めたから。
主導権は常に向こう側にある。
いつ、嫌と言われるか分からない。
まず、俺のこと好きなのかどうか謎だしね。
気持ちよさそうに眠っている彼女を見たら、
俺も眠たくなってきた。
布団に入り、彼女を抱きしめて眠る。
移動の疲れもあって、すぐに寝てしまった。
目が覚めたら隣に彼女はいなくて。
あれ。もう起きたのか。
洗面所を覗くと、
ちょうど歯磨きをしている彼女がいた。
『おふぁよう。』
「おはよう。顔洗っていい？」
『ふぉーぞ。』
俺が顔を洗ってる隣で
シャカシャカと歯磨きをするA。
「てかさ、前から思ってたんだけど、歯磨き長くね？」
『そうかな？おばあちゃんに歯だけは大事にしなさいって言われてたから。長く磨くようにしてる。』
「なるほどね。」
確かに、Aの歯は
ホワイトニングしたのかってくらいに綺麗だし、
歯並びも良い。
『おばあちゃんってさ、何にも言わない人だったんだけど、歯磨きだけはうるさかったんだよね。まあ、本人総入れ歯だったんだけど。』
「ははっ。だからじゃね？孫には歯のない生活をさせたくない的な。」
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作者名：しょこら | 作成日時：2024年2月2日 6時
