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「あれ、、、？北斗くん？」
『うん。久しぶりだね。こうやって来るのは。』
ああ。びっくりした。
北斗くんだった。そうだ。北斗くんは
私の家のカギを持っていたんだった。
最近は使ってなかったけど。
「どうしたの？急に。」
『んー。今日は俺。高地は今は来ないよ。』
ふと手に持っている袋を見る。
「、、、食材？」
『うん。あなたご飯食べてないでしょ。』
北斗くんはそう言うとキッチンに向かい、
料理をしていく。しばらくして出てきたのは
野菜がたくさん入った雑炊で。
「美味しそう。」
『どうぞ。』
湯気と匂いにそそられてスプーンで口にする。
「美味しい。」
『よかった。』
私の食べている様子を見て、北斗くんが笑っている。
全ては食べられなかったけど、それでも
いつもよりは食べることができた。
「ありがとう。」
『どういたしまして。じゃあ、俺はそろそろ帰るね。』
「え？」
いつもならそのまま泊まっていくのが
お決まりのパターンなはずだけど。
『あと、これも返すよ。ずっと持っていてごめん。』
テーブルの上に置かれたのは私の自宅の鍵だ。
「、、、どうしたの？」
『んー。俺ね、Aのこと好きだったんだよ。だから最初は曖昧な関係でも良かったんだけど。だんだんとそれが辛くなってきてさ。Aが今、一番頼りにしてるのは俺ではないだろうし。だから、これからはトモダチじゃなくて友達としてよろしく。』
「、、、。」
北斗くんの言葉に何も言えない。
確かに、今、彼に付き合ってと言われたら
答えは絶対にNOだ。
でも、、、。
「それでも、私は北斗くんにたくさん助けられたよ。ありがとう。」
『ん。もちろん、ご飯が食べられない時は言って。いつでも来るから。』
「うん。」
『多分もう少ししたら高地が来るからさ。』
「そっか。」
北斗くんはそう言うと部屋を出て行って。
「本当にありがとう。」
明日から北斗くんとは本当の友達に戻るんだ。
そう思ったら少しだけ悲しくなった。
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作者名：しょこら | 作成日時：2024年2月2日 6時
