紅一点×SnowMan③ (ページ31)

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エレベーターで上がっていくと
だんだん無言になっていく姉御。

ん？どうしたんだろ。

それから展望台デッキに到着して
外に出ようとすると腕を掴まれた。

『ねぇ、手繋いでいい？』

「ん？いーけど。どうした？」

『、、、ちょっと怖いかもしれない。』

まじか。高いところ苦手だったのかな。
俺が差し出した手を繋ぐとぎゅっと身を寄せてくる。

可愛いところあるじゃん。

そのまま手を繋いで展望台を歩いていく。

「どう？行けそう？」

『外見なきゃ大丈夫、、、。あとは樹が手を繋いでくれてるから。』

そうやって言ってるけど、ちょっと震えてるし、
手を握る力が強くなってる。

そんな時こそちょっとイタズラしたくなるのは
性かもしれない。

「あっちなら大丈夫そうだよ？目をつぶってて。」

ぎゅっと目を瞑る姉御を連れてきたのは透明な回廊で。

「目開けてみて？」

『ん、、、。ちょっと！無理っ！』

姉御が強く抱きついてきて。

「え、、、泣いてる？」

小さく嗚咽が聞こえるから多分泣いてる。

「まって、まじごめん！帰ろ？」

これじゃあやばいことをした彼氏状態だから。
とりあえず展望台は降りることにした。

『もう、樹ひどすぎ。』

「ごめんて。姉御が絶叫とか無理なの知らなかったし。」

『まあ、高いところが無理なのは私も今日初めて知ったから。』

帰り道、車の中で姉御にはこってり怒られた。

「でも、また行ってくれるよね？デート。」

『、、、考えとく。』

そう言いながらも少し楽しそうな姉御の横顔をみて、
俺も笑う。

また誘おう。慎太郎あたりに言ったら
羨ましがられそうだな。

今度会ったら自慢してやろうと思った。