紅一点×SnowMan③ (ページ27)

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90分の授業はあっという間に終わって。
帰ろうと駐車場に向かっていた。

「え？」

『ん？』

「帰らないの？」

『帰るよ？』

だよね。なんでついてくるのかな。

「駅あっちだけど。」

『は？乗せてくれないの？しょっぴーが言ってたよ。ポルシェなんでしょ？乗せてよ。』

「、、、分かったよ。」

樹は懐に入るのが上手いと思う。
帰ろうと思ったのに、結局助手席に乗せて
ドライブすることになった。

『曲選んでいい？』

「どーぞ。プレイリスト適当にいじって。」

私の携帯が車のBluetoothに繋がっているから、
樹にぽんと投げる。

『え？俺触っちゃっていいの？』

「だって選ぶって言ったじゃん。」

『そうだけどさ。俺が携帯の中身見るとか思わないの？』

「見られて困るようなものはないよ。LINEはロックかけてるし。」

えー。なんて言いながら
樹がプレイリストをいじっている。

選んだのは季節ソングの入った洋楽で。
なかなかセンス良いじゃん。

『じゃあ、写真ホルダー見ちゃお！って一枚もねーじゃん。まじ？』

「え？」

携帯の写真フォルダをいじったらしい。

『ちょっと待って。写真に一枚もないとか初めて見たんだけど。え？まじ？SnowManの写真とかも無いの？』

「ないよ。私、写真はとっとかない主義だし。」

正確には、本当に必要なものはデータではなく
現像して取っておきたいから、パソコンに移して、
スマホのはすぐに消去してるんだけど。

今もだけど、こうやって見られた時に
プライベートがバレたら困ることもあるから。

現像して残しているものはSnowManで撮った写真と
大毅と付き合ってる時に撮った写真くらいだけどね。

『まじか。姉御変わってんね。』

「そうかな。こうやって見られた時にプライベートがバレるの嫌なの。」

『、、、ほんと秘密主義だね。』

すげーなんて言いながら笑ってるけど、
目の奥が笑って無いの気づいてるよ。

何が言いたいんだろう。

「何か気になるの？」

『ん？』

「私のプライベート。」

『ん、いーや。もっと見せてくれてもいいのにって。俺達は友達じゃん。』

「え？友達？」

樹から友達ってワードが出てくると思わなくて動揺する。

『え？ちげーの？俺は姉御と友達だと思ってたんだけど。』

樹の真剣な表情に何も言えなくなった。