紅一点×SnowMan③ (ページ20)

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『おはよう。勉強はどう？』

「おはようございます。なんとかって感じです。」

相手役の鈴木さんが話しかけてくれる。
英語が堪能な鈴木さんに勉強のことをよく聞いていて、
たくさん教えていただいている。

俳優さんの中で下心を一切感じず、
普通に接してくれる数少ない人だ。

信用できる人だと思う。

『語学も勉強も本当に大事だと思うんだよね。』

「私もそう思います。学ぶことによって色々と自分の演技やパフォーマンスに活かすことができているので。」

『だよね。わかんないことあったらいつでも聞いて。』

「はい、ありがとうございます。」

隅っこで勉強してる私のことも常に気にかけてくれて、
本当にすごい人だ。

どんな俳優さんになりたいか、
って質問があったら私は迷わず、
鈴木さんと答えると思う。

まあ、こんな立場だからそんなこと言ったら、
バッシングやら不倫してるやらと散々なことになるから
絶対に言わないけど。

そろそろ出番かな？そう思った時に電話が入った。

「もしもし？」

松『あ、俺。』

「北斗くん？どうしたの？」

松『んー。寝れてるのかなって思ったのよ。』

「忙しくて毎日死んだように眠ってるから、一応睡眠はとってるよ。」

北斗くんだった。
あまり彼から電話が来ることはないのに。珍しいな。

松『今日さ、行ってもいい？』

「、、、。ごめんね。今日は深夜までかかると思うから。」

松『そっか。分かった。また落ち着いた頃にいくね。』

「うん、ありがと。」

電話を切って、少しため息をつく。

こんな時に会いたいのは正直北斗くんではない。
私はLINEを取り出して、ある人に連絡した。

そしたらすぐに返信が来て。
それを見て、また今日も一日頑張れそうな気がした。

私は小さく頬を叩くと撮影現場に足を踏み入れた。