紅一点×SnowMan③ (ページ19)

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side YOU ページ19

「牧さんおはよう。」

牧『おはようございます。あれ？今日なんか機嫌良いですね。』

「そうかな？普通だと思うけど。」

私は毎朝タンブラーに入れているコーヒーを飲む。
これでかなり頭がすっきりとするんだよね。

牧『まあ、機嫌良く仕事できるのが一番ですから。』

それだけ言うと車を走らせる。

牧さんは基本的に車内で話すことはない。
大体勉強してるか寝てるかの私への配慮だと思う。

そんな牧さんが話しかけてきたってことは
相当機嫌が良かったのだと思う。

最近は疲れがあったから、
死んだように眠るのが定番だった。

だけど、圧倒的に睡眠時間が足りなくて、
ましてや人と眠ることもほとんどなかったから
多分睡眠が浅かったんだと思う。

ただ、昨日は優吾がいたから凄く良く眠れた。
しかもなんだろう。昨日のキスはすごく気持ちよくて。

優吾は今まで一緒に寝ていても私に対する下心は
一切感じられなかった。

そんな優吾が初めて男を魅せてきて。

かつて好きで好きでたまらなかった男が
ああやって来た時になんとも言えない気持ちに
なったのは間違いない。

好きと言われたら疑問符がつくんだけど。
でも、全く嫌じゃなかった。

けど、あの時はその先を求めたい気持ちにも
ならなかった。ほんと不思議な感覚だったんだよね。

けど、その後いつものようにトントンされたら
ぐっすりと眠ることができて。

やっぱり彼の隣が一番安心できるのは
間違いないなと思った。

「おはようございます。」

『松雪さん、おはようございます。』

スタッフや共演者の方に挨拶をしていく。

どんな環境でも挨拶だけは欠かせない。
それだけは心に決めていた。

朝ドラの現場はみんな忙しいってこともあって、
あまり嫌な思いをすることは少なかった。

しかも私が大学に入学したばかりで
忙しいことも理解してもらってるから、
勉強スペースをいつも用意していただいていて。

撮影の合間は基本的にはこのスペースで勉強していた。