紅一点×SnowMan③ (ページ15)

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深夜の事務所にはほとんど人はいない。
レッスン室のドアを開けると予想外の人物がいた。

「え？ふっかさん？」

深『よっ！』

「なんでいるの？」

深『Aが練習するって聞いたから。』

いつものゆるい感じで私にそう言うと、
靴を履き直している。

「、、、ありがと。1人だとイメージつきにくいから助かる。」

深『ん。そうだよね。俺だったら1人じゃ無理って思ってさ。牧さんに聞いたら今日練習するって言ってたし、来ちゃった。』

それからふっかさんと踊りや歌の確認をしていく。

深『ここの振付、少し変更したんだよね。アクロバットをAから佐久間にした。』

「えっ？そうなの？なんで？」

深『さすがに朝ドラ女優にリスク高いことはさせられないよ。今怪我したら大変でしょ？』

「そうだよね。ありがと。」

みんなもちゃんと考えてくれていて。
昔の私なら卑屈になってたかもしれないけど、
今、この酷使した体にアクロバットはきついから
その配慮は助かる。

ソロ曲の振付は自分で考えていたものがあって。

「今から、ソロのやつ通しをするから見てくれる？基本的には歌なんだけど、ところどころダンス入れたいの。」

深『おっけ。じゃあ、曲を流すね。』

前奏が始まると、一気に気持ちが入る。

大野くんとの歌い方とはあえて変えて。
アーティスト松雪Aとしての歌としていく。

ふぅ、、、。終わった。

「どう、、、だったかな？」

ふっかさんの表情は見えないけど、
私の方に歩み寄ってきたらきつく抱きしめてきて。

深『すげー良かった。』

「ふふっ、ありがと。」

深『なんか感動しちゃってさ。柄にもなく泣きそう。』

そう言うとさらに抱きしめる力を強めてきて。
そろそろ離してくれないかなって思った時に
レッスン室のドアが開いた。

高『A〜！迎えに来、、、。あ、すみません。』

お迎えを頼んでいた優吾が来たけど、
ちょうどふっかさんと抱き合っていた場面を
見たからかすぐに出て行ってしまった。

深『あっ。多分誤解してるね。俺呼んでくるからさ。シャワー浴びてきなよ。今なら誰もいないから大丈夫だと思うよ？』

「う、うん。ありがとう。そうする。」

私は優吾のことをふっかさんに頼んで
シャワー室に向かった。