紅一点×SnowMan③ (ページ13)

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★ ページ13

『人肌恋しいから、、、かな。』

「は？」

『私、昔から熟睡するには人肌がないと無理なの。普段は平気でも、しんどい時なんかは寝不足になっちゃうから。今は北斗くんがそばにいてくれてるだけ。お互い利用しているだけだよ。』

はぁ、、、。そういうことか。
彼氏と別れた時にたまたまそばにいたのが
北斗ってことか。

その役目、俺だったらどんなに良かったことか。

「当然、今もだよな？」

『、、、うん。良くないよね、同じ事務所同士でだなんて。だけど、ごはんがおいしくて。』

「え？ご飯？」

『うん、北斗くんの料理がおいしいの。私、人のご飯ってほぼ食べた記憶なかったから。ずっと自炊だったし。』

普通ならというか、おれもそうだけど
大体は母親が作ってくれるんじゃねーの？

Aはそうじゃなかったってことか。

そういえばAの家族のことや
昔のことってほんとに知らないな。

彼女の闇は実はもっと深くて暗いものなのかもしれない。
北斗はきっとそんなAに寄り添っているのか、、、。

「そっか。まあ、いいんじゃねーの。Aがそれで精神保てるなら。」

『、、、ありがとう。』

「じゃ、帰るわ。」

『うん、おやすみ。』

部屋を出てため息をひとつつく。

俺にはまだAを支える覚悟なんてなくて。
外を歩きながらポケットに入っているタバコを
ひとつとり、深く吸った。

「はあ、、、。どうしたらいいのかな。」

俺の独り言は夜空に消えていった。

部屋に戻るとふっかが起きていて。

深『あれ？戻ってきたの？てっきり泊まってくるかと思ったよ。』

「そんなことしねーよ。メンバーなんだし。」

深『Aもメンバーに対しては一線を引いてきそうだしな。』

ふっかはそんなことを言って笑ってる。
けど、その瞳の奥が少し安心してるのには気づいてる。

「ふっか。」

深『んー？』

「お前も好きなんだよな？」

深『、、、。俺は誰かから奪ったりとかは考えてないから。』

そう言うと、それ以上聞くなと言わんばかりに
布団に潜ってしまった。俺も明日の公演に向けて眠った。