【完結】銀行員×SnowMan② (ページ5)

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2023年春

それは、まさかの発表だった。

まだこの支店に来て2年だし、他にも長くいる同僚が
たくさんいるからと油断していた。

4月は大きく人が異動するタイミングで。

多分発表日だと思われる今日は、
実際に先輩や後輩が支店長に呼ばれていた。

そんな中で私はお客さんの資料作成を
いつも通りしていて。

呑気に康二くんのアクスタ見ながら、
頭の中で新曲のWを歌っていた。

支店長『更科、ちょっと。』

え？突然支店長に呼ばれる。
このタイミングでの呼び出しは、
異動があることを意味していて。

周りも更科さんが？って驚いている。

「あ、はい。分かりました。」

支店長について行って支店長室に入る。

支『なんとなく予想できると思うけど。』

「はい。異動ですか？」

支『正解。どこだと思う？』

「えっ？いや、なんかこんな早いと思ってなかったので想像つかないです。」

支『リテール企画部だ。大出世だよ。御栄転おめでとう。』

「ほんとですか⁈」
　

リテール企画部は私がずっと入社した頃から
希望を出していた部署で。

いつか本部で、
会社の根幹になる仕事をしたいと思っていたから。

だけど希望が通ることはほとんどないし、
本部に行くのは結構年次が上がってからの方が多いから、
まさかこんなに早くいけるとは思ってなかった。

支『ああ。そうだよ。しかも部長補佐って形で役職つくから。大出世じゃないかな？多分同期にもまだいないだろ。君達の年次で更科と青山支店の石橋だけが今回役職上がったんだよ。』

「、、、。ありがとうございます。ただ、プレッシャーがやばいです。」

支『まあ、そうだろうな。でも更科なら大丈夫だよ。』

「頑張ります。てことは石橋も転勤ですか？」

支『そうらしいんだよ。確か大阪のプライベートリテール部じゃなかったかなぁ。』

石橋とは告白されたあの後、
後日会った上でちゃんとお断りしていて。

蓮くんの名前は出してないけど、
好きな人がいることを伝えた。

決して気まずくなることはなくて。
あれからは良き同僚として接していた。

そんな石橋と一緒に昇進できて。
勤務地は大きく離れるけど、
互いに希望していた部署だから嬉しい。