【完結】パン屋×King & Prince【前編】 (ページ10)

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★ ページ10

あとはデザートだけというタイミングで気づく。
あれ、彼女は当たり障りないことは聞いてくるけど、仕事のことやプライベートなことは一切聞いてこなかった。

あれ、実は気づいてるんかな、、？

「僕のこと全然聞いてこないのって実は僕が誰か気づいてはります？」

『えっ？いや、なんか普通のお仕事の方ではないのかなと思ったんですけど。スタイル良いですし、お綺麗なので。聞かない方が良いのかと思って。』

あ、気を遣ってくれていたんや。
ここまで来て名乗らないのも変やしなぁ。

「僕、永瀬廉って言います。King & Princeってグループでアイドルしてて。そこそこ知名度あるんかなと思っていたんですけど、まだまだですね。」

『いえ、、、。私元々フランスにいたので日本のことは全然分からなくて。有名な方がこんなところに来て大丈夫なんですか？』

「全然大丈夫ですよ！むしろ事務所すぐそばなんで！駅前にあるの知りません？」

『うーん。ごめんなさい。散歩とかで歩くことはあるんですけど、あまり周りを気にして歩いたことなくて。』

ほんまにこの人は知らんのやな、、、。
そんな人が興味持ってくれたらどないなるんやろ。

ちやほやされてきたし、女の人には困らない人生を送ってきた中で、異端であるAさんにますます興味が出てきた。

「たまにテレビ出てるんで、機会があったら見てみてください！」

『あっ、、、。私の家、テレビないんです。ほんと恥ずかしながらって感じなんですけど。どこかで見る機会あったら見てみますね。』

ほんまかいな、、、。テレビないとかあるんやな、、、。

ここまでくるともはや感心する。
と同時にずっとそのままであってほしいと思ってしまった。

「ところで、Aさんって何歳なんですか？」

『28歳です。日本でいう、平成7年生まれかな？永瀬さんはおいくつなんですか？』

「僕、24です！平成11年生まれやから、Aさんの4歳下かな。」

『そうなんですね。お若いですね！だからお肌も綺麗なんだ、、！！』

にこにこと笑いながら、Aさんは言う。

いや、そういうあなたもかなり肌綺麗やんってツッコミそうになったけど、まだ仲良くないしやめた。