【完結】パン屋×King & Prince【前編】 (ページ9)

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★ ページ9

『ワインは飲めますか？これ貰い物なんですけど、私も普段飲まないのでもしよろしければ。』

「飲みます！むしろそんな大事なもん開けて大丈夫なんですか？しかもこれめっちゃいいやつやないですか！」

過去、玉森くんや亀梨くんに教えてもらったワイン。
こんなところで役に立つとは思わんかった、、！

『大丈夫ですよ。今日開けようと思っていたんです。1人で開けちゃうと酔いすぎてしまうので、一緒に飲んでいただけるのは嬉しいです。』

そう言いながらワインを注ぐ彼女は本当に綺麗だった。

それならありがたくもらおう。
明日OFFでほんまによかった。

「じゃあ、乾杯！」

ワイングラスを軽く合わせる。

見た目もさることながら彼女が作った前菜はとても美味しかった。

パンも美味しいけど、この人めっちゃ料理うまいやん！
ほんまミシュランのお店とかの味って言われても頷ける味やわ！

「ほんまに美味しいです。」

『よかったです。』

「ほんまに、レストランよりも美味しいです。あ、ところでお名前は？」

そこからはお酒も入り、話も弾んでいた。

名前はAさん。

そこからかつてフランスでパン職人としてレストランで働いていたこと、お祖母さんの親族が自分自身しかおらず、手続きのために日本に来た際に、この家を無くしたくなくてそのまま日本に住む決意をしたそうだ。

なんか結構大胆な人なんやな。
作るパンの繊細さと彼女の容姿とは反対にかなり強い人なんやと思った。

その強さ、俺にもあったらああはなってなかったんかなぁ。

「お父さんやお母さんはフランスにおるんですか？」

『母は幼い頃に病気で他界したんです。父は何というか、自由な人で。今どこにいるのかも分からないんです。別に仲が悪いとかではないんですけど、父はかつてパイロットだったので。世界中飛び回るのが好きみたいで。』

「え！僕の親父もパイロットやったんです。やから、小さい頃しょっちゅう転勤について行くために引越しばかりやったんですよ。」

そこからお酒も入ってきて、少し話す時のぎこちなさはなくなってきた。

メインディッシュのお肉もキッシュも絶品で。
潔癖なはずなのに彼女の料理はなぜか平気で。