【完結】パン屋×King & Prince【前編】 (ページ48)

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⭐︎ ページ48

『ね、ずっと聞きたかったんですけど。あの時、廉と僕が鉢合わせしてから廉と会えてます？』

「えっ、、、。」

『いや、僕ほぼ毎回来てるじゃないですか。なんかAさんの顔がどんどんしんどそうになっていくのが分かってしまって。ひょっとしたら廉と会ってないのかと。』

「そんなに顔に出てましたかね。確かに、映画のプロモーションがあって全然会えてないんです。」

『そうなんだ。、、、。Aさん！』

「は、はいっ！」

突然目の前に顔を突き出してきた平野さんにびっくりする。

『僕だったらダメですか？』

「え？」

『確かに、僕も仕事あるので、会えない時はあると思うんです。でも、前の事務所にいた時よりも今は自由に仕事できてるし、寂しい思いはさせません。多分、一目惚れなんです。Aさんのこと。』

平野さんの突然の告白に驚いて声が出ない。

『今のAさん、とても辛そう。僕だったら、廉みたいにさんに悲しい顔はさせません。』

そう目を見ながら力強く言ってくれる平野さん。
確かに、平野さんの言ってることは間違いない。
会えないことが辛いと思っているのは確かだ。
それでも、、、。

「ありがとうございます。お気持ちは嬉しいです、、、。確かに最近の廉くんの様子で辛いなとは思っています。でも、、、。」

少しだけ息を吸い直して私は平野さんの目を見た。

「それでも、私は廉くんが好きなんです。廉くんのことしか考えられないんです。だから、平野さんのお気持ちにはお答えできません。ごめんなさい。」

『、、、。そっか。それだけ廉のことが好きなんですね！！すみません、変なこと言っちゃって。気持ちは諦めます！けどパンは買いにきますからねー！』

にこにこと笑いながら言ってくれる平野さん。
私は、その瞳の奥の悲しみには気づかないふりをした。

「ぜひ、また来てください。」

じゃあ、またと手を振りながら平野さんは帰っていった。

私も何もしないままじゃダメだ。

廉くんに会おう。

そう思ってLINEを開く。

毎日していたLINEも気づいたら2.3日おきになっていて。
毎日の予定も把握できないでいた。
多分連絡しても返ってこないだろう。

そうなったら行動あるのみ。

　
事務所に行ってみよう。

会えるか分からないし、会えないかもしれない。
明日はお店も休みだし、仕込みもないからチャンスだ。

もし会えなかったら連絡して時間を作ってもらおう。
そう決意した。