【完結】パン屋×King & Prince【前編】 (ページ45)

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それから次々と運ばれてくる美味しそうな食事達。

あっ、この蓮根のはさみ揚げおいしい。
もちろん、平野さんおすすめの卵焼きも絶品だった。

「美味しいですね。どれも。」

『ですよね。ほんとおっちゃんの作るご飯はどれもうまいんすよ。』

久々に食べる和食に心も体も浄化されていく。
昨日からの嫌な気持ちが少しずつほぐれてきた。

それからも少し天然でおもしろい
平野さんとの時間はとても楽しくて、
気づいたら22時になっていた。

『もう、こんな時間なんですね！楽しくてついつい話しちゃいました。』

「私もです。ご飯もとてもおいしかったです。」

お会計しようと財布を出そうとすると
平野さんに止められた。

『僕誘ってるし、出しますよ。Aさんはお財布しまってください。』

「でも、、、。」

『いや、僕に出させてください。』

「それならお言葉に甘えます。ご馳走様です。」

『いや、そんなそんなです。遅くなりましたし、帰りましょうか。送りますんで。』

それから、約1時間ゆっくりと平野さんの運転する車で
自宅まで送っていただいた。

『荷物たくさんあるし、玄関まで一緒に運びますよ。』

「ありがとうございます。助かります。」

送っていただいた上に、
私が買った物も自宅に運んでくれた。

お見送りしようと玄関を一緒に出た時、
ちょうど廉くんが帰ってきた。

廉『え、、、。紫耀？』

平『あれ、、、。廉じゃん。どうしたの？』

廉『いや、それはこっちのセリフ。なんでAちゃんの家から出てきてん？』

あれ？平野さんと廉くんは知り合い？
でもなんだか雰囲気はあまり良くなさそう。

廉『Aちゃんは俺の彼女なんやけど。』

平『えっ！そうなの？Aさんほんとですか？』

「え、えぇ、、、。そうです。」

廉『嘘つくわけないやん。てか、Aちゃんもなんで紫耀と一緒にいるん？』

いつもと違う雰囲気の廉くんに戸惑う。

平『ぼくはただ、手伝っただけだよ。じゃあね、Aさん！』

平野さんは、私に向かって手を振った後、
廉くんに小声で何かを言って去って行った。

「廉くん？」

『はぁ、、、。ごめん。今、Aちゃんを傷つける自信しかないわ。ちょっと頭冷やしてくる。今日は自宅帰る。』

怒ったような悲しい顔をした廉くんは
そのまま私の家には入らず帰って行った。

私はその様子をただ黙って見つめるしかできなかった。