side MINATO ページ29
いや、意味わからん。
コーヒーを淹れに行ったA。
目の前には平野紫耀。
なぜ？
「平野紫耀がここにいるとは思わなかったです。」
そう言うけど、こちらをチラッと見るだけで特に言葉を発しない平野紫耀。
おい、ちょっとくらい話せや。
「Aとはどういう関係ですか？」
『さっきAさんが言った通りです。』
「でも、それ以上になりたいとか思ってるんですよね？」
『えっ、、、。』
ここで初めて平野紫耀と目が合った。
なんで分かるの？って顔してるけど、そんなのすぐ分かるに決まってる。
だてにAの親友をずっとしてきているわけではない。
Aはずっとモテてきた。
容姿はもちろんだけど、柔らかい雰囲気の中にある力強さ。
大人っぽいと思いきや急に子供みたいになる。
私は何人もAにハマる人を見てきてるのよ。
平野紫耀の目が完全にそいつらと同じ。
恋する人の目だった。
「そんなの見たらすぐ分かりますよ。Aのことはずっとよく見てきてますから。」
綺麗だけど可愛いんだよね。
と言うとうんうんと頷く平野紫耀。
『いや、なんか恥ずかしいっすね。いざ他の人に言われると。ところで、、、。』
「私はミナト。Aが学生の頃からフランスで一緒に過ごしてきた親友なんです。」
『なるほど、、、。そうなんですね。』
「でも、Aは大変だと思いますよ。あの子すごくモテるし。まあ、平野紫耀にかかったら分かんないですけど。」
『いや、僕なんてそんなそんな。』
いやいや、天下の平野紫耀が何を言ってる。
うーん。でも芸能界には疎すぎるAだ。
元キンプリの平野紫耀じゃ通用はしないわな。
「まあ、人の恋愛に口を挟むのは好きじゃないんで、どうでもいいんですけど、Aは本当に良い子だから。どうか傷つけることだけはやめてください。」
『それはもちろんです。でもその前に彼氏がいるかどうかも、連絡先も知らないんですけど。』
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作者名：しょこら | 作成日時：2023年12月6日 12時
